監査法人を辞めたい6つの理由と辞める前にやっておくべきこと

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多くの公認会計士が活躍している監査法人ですが、なかには監査法人を辞めたいと感じている人もいるようです。実際、監査法人の離職率は高く、転職をすることは決して珍しくはありません。

本記事では公認会計士が監査法人を辞めたくなる理由を紹介したうえで、辞めるメリット・デメリット、辞める前にやっておくべきことについて解説します。

辞めたあとのキャリアの選択肢や、監査法人を辞める前に利用したい転職サービスの紹介もします。ぜひ参考にしてください。

目次
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監査法人を辞めたくなる代表的な6つの理由section

監査法人で働く公認会計士は高い専門性と社会的信頼を得ていますが、その一方で、さまざまな理由で監査法人を辞めたくなることもあります。

ここでは、公認会計士が監査法人を辞めたくなる代表的な理由を6つ紹介します。

ハードワーク

監査法人では繁忙期の長時間労働や休日出勤は当たり前です。監査先の企業によっては、遠方への出張や現地滞在が必要になることもあります。

このようなハードワークは、体力的にも精神的にも負担が大きく、プライベートな時間や趣味を楽しむ余裕がなくなります。

自分のライフスタイルや家族の都合なども考慮して働きたいと考え、辞めたくなることがあります。

責任が重い

監査法人で働く公認会計士は監査先企業の財務諸表の信頼性を保証する重要な役割を担っています。その責任は非常に重く、監査に関するトラブルが発生した場合には社会的な信用失墜のリスクに直面する可能性があります。

このような責任の重さに耐えられずに辞めたいと感じることがあります。

法人内での出世が難しい

監査法人では一般的に、スタッフ・シニアスタッフ・マネージャー・パートナーに役職が分かれています。

パートナーは監査法人での最終キャリアともいえる最高位の役職のため、なるのは決して簡単ではありません。高い専門性だけでなく営業力やマネジメント能力も求められますし、そもそもポジションに空きがない場合もあります。

そのため現職での出世は難しいと感じて、転職を考えるようになります。

監査以外の業務を経験したい

監査法人では主に監査業務に従事しているため、働き始めてから数年経つと業務に慣れ、仕事がルーティンワーク化していると感じることがあります。

そのため、「このまま監査を続けてもスキルが向上しないから監査以外の業務を経験したい」と考える人は少なくありません。

また「監査業務に飽きてやりがいを感じない」と考えて転職を検討する人もいます。

事業に貢献したい

監査法人では監査先の企業の財務諸表をチェックすることで企業の健全性や透明性を高めることに貢献していますが、その貢献は間接的なものです。

そのため事業会社で働くことで、自分の専門性や経験を活かして直接的に事業に貢献したいと考える公認会計士は少なくありません。自社の成長や事業の発展を目の当たりにできるのも魅力です。

こうした点から事業会社で働くことに興味をもち、監査法人を辞めたいと感じることがあります。

実務経験・実務補習の期間が終わった

公認会計士として働くためには、公認会計士試験に合格したあと、3年以上の実務経験が必要です。そのため、多くの試験合格者は監査法人に就職して実務経験を積みます。

また、実務補習を受けて修了考査に合格する必要もあります。合格率は高いですが平日の夜間や土日などに講義を受ける必要があるため、職場の理解が欠かせません。そのため監査法人に就職し、考査合格を目指すのが一般的です。

実務経験と実務補習の期間が終わると公認会計士として登録できるため、このタイミングで監査法人を離れることを検討する人も一定数います。

監査法人を辞める4つのメリットsection

監査法人を辞めたい人は、辞めることによるメリットとデメリットを把握しておくことが大切です。メリットとしては、以下のような点があります。

キャリアの幅が広がる

監査法人では主に監査業務に携わることになりますが、公認会計士として培った知識やスキルは監査以外にもさまざまな分野で活かすことができます。

たとえば財務や経営コンサルティング、M&Aなどの分野では公認会計士の専門性や信頼性が高く評価されます。また、企業や団体など監査法人以外の組織に入ることで展開できるキャリアも変わってきます。

キャリアの幅が広がり、自分の希望にあったキャリアをデザインできることはメリットです。

ワークライフバランスが改善される

監査法人で働くと、繁忙期やクライアントの要望に応じて、長時間労働や出張が多くなります。これは、自分の時間やプライベートな生活に影響を与え、家族や趣味などを大切にしたい方にとってはストレスや不満がたまります。

監査法人を辞めてワークライフバランスを保ちやすい職場へ転職することで、こうしたストレスや不満が改善されるでしょう。

人間関係をリセットできる

監査法人では同僚や上司のほかにクライアントとの人間関係に悩むこともあります。特に、コミュニケーションのスタイルが合わない場合や、ハラスメントなどがある場合には精神的に苦しむこともあるでしょう。

監査法人を辞めることでこれらの人間関係をリセットでき、新しい環境で自分に合った人間関係を築くことができます。

現状より評価されるチャンスが生まれる

監査法人で働く中で自分の能力や成果が正当に評価されないと感じているのなら、辞めることで現状より評価されるチャンスが生まれます。

また、監査法人では公認会計士の資格をもっていることが当たり前ですが、監査法人を辞めてほかの分野や組織に移ると公認会計士の資格は大きなアドバンテージになります。

これにより今よりも高い評価を得て、年収アップや役職を得られることもあるでしょう。

監査法人を辞める3つのデメリットsection

監査法人を辞める前に、以下のデメリットを理解しておくことも大切です。

修了考査前だと学習時間を確保できない

監査法人を辞めると、修了考査に合格するための学習時間を確保することが難しくなります。

監査法人では多くの公認会計士が働いているため修了考査に対する理解がありますが、ほかの職場ではそのような理解が得られないことも少なくありません。

そのため仕事が忙しくても配慮されず、学習時間を確保できない可能性があります。

監査の実務経験を積めなくなる

監査実務を積むために適した環境は、やはり監査法人です。監査法人以外でも一部の監査を経験できますが、案件数や規模、監査品質といった点でどうしても監査法人に劣ります。

監査法人では、最新の会計基準や監査基準に沿った監査手法やツールを学ぶことができますし、優秀な公認会計士も多数在籍しているため学びも多いです。

監査法人を辞めることで、このような高品質で最新の監査実務を積むことができなくなるのはデメリットです。

年収は下がる可能性がある

監査法人で働く公認会計士は実務経験に応じて高い報酬を得ることができるため、ほかの業界や職種と比べて年収は高水準です。そのため転職すると年収は下がる可能性があります。

また監査法人では十分な経験とスキルがあれば、順当にマネージャークラスまでは昇進できる可能性が十分にあります。しかしほかの職場では固まったキャリアパスやポジションがなく、成果主義へシフトしているケースも少なくありません。

したがって、監査法人を辞めると、将来的な収入やキャリアアップの可能性を失うかもしれません。

監査法人を辞める前にやっておくべき5つのことsection

監査法人を辞めたいと感じたら、実際に辞める前にやっておきたいことがあります。

キャリアプランやビジョンを描いておく

まずは、自分の将来のキャリアプランやビジョンを描いておくことが重要です。自分がどんなキャリアを進みたいのか、どんな働き方やライフスタイルを望むのかなど、具体的に考えてみましょう。

これにより今後の方向性が定まり、監査法人を辞めたあとの転職活動もスムーズに進めることができます。場合によっては、監査法人にとどまって経験を積む選択をとることもあるでしょう。

キャリアの選択肢について多方面から情報を得ておく

監査法人を辞めたあとにどんなキャリアがあるのか、どんなスキルや経験が求められるのかなど、今後のキャリアについて多方面から情報を得ておくことも大切です。

たとえば監査法人や会計事務所など資格をそのまま活かす以外にも、事業会社やコンサルティングファームなど多様な選択肢があります。

インターネットや書籍などで調べたり、同業者や先輩などに話を聞いたりして、自分のキャリアの選択肢について多角的に知識を深めておきましょう。

監査法人では達成できない目標なのか確認する

監査法人を辞めたい理由を整理し、監査法人を辞めることで解決できる問題なのかを確認することも大切です。たとえば何らかの目標があって辞めたい場合、その目標は監査法人では達成できない目標なのでしょうか?

監査法人は年収水準が高く、周囲に優秀な公認会計士も多数いる恵まれた環境です。そのため、もし監査法人でも達成できる目標ならば今の職場にとどまるほうがよい結果になる可能性は否定できません。

働く環境に不満がある場合も同様です。監査法人を辞める必要はなく、部署やチームの変更、勤務時間や休日の調整といった形で解決できる可能性もあります。

転職エージェントに相談する

転職エージェントに相談することも有効です。キャリア面談を通じて市場価値を判断してもらえるほか、自分のキャリアプランやビジョンに沿った求人を紹介してもらうことができます。

監査法人は忙しい環境のため転職活動を進める時間がない人も多いですが、日程調整や書類作成、面接対策など活動全体をサポートしてもらえるので利用メリットは大きいでしょう。

自分の市場価値を第三者目線で確認する

監査法人を辞める前に、自分の転職市場価値を確認しておきましょう。そうすることで今辞めるタイミングなのか、辞めたとしてどんな条件で転職できるのかを把握することが可能です。

転職市場価値を確認する方法としては、公認会計士のキャリアに詳しい転職エージェントに相談するか、ハイキャリア向けのスカウトサイトに登録することがおすすめです。優秀な人材を求める企業などから直接スカウトが届くため、現在の市場価値を判断できます。

現時点では市場価値が低いと判断した場合には、監査法人に残り経験を積むという選択も可能です。

監査法人を辞めるのに適したタイミングsection

ここでは、監査法人を辞めるタイミングを考えてみましょう。

修了考査に合格したタイミング

修了考査に合格すると晴れて公認会計士として登録でき、監査法人で働くメリットがひとつ減るため、このタイミングで転職を検討するのはひとつの考え方でしょう。

ただし、監査以外の仕事をどうしてもやりたい、仕事がきつすぎて心身が辛いなど明確な理由があることが望ましいです。修

了考査には合格しても実務経験という点ではまだ充実していないタイミングなので、転職先の選択肢が狭まる可能性があるためです。

主査やIPOの経験を積んだタイミング

主査やIPOの経験を積んだあとも転職にはよいタイミングです。

主査として監査チームを率いた経験があると、マネジメントスキルやリーダーシップがあると評価され、市場価値が高くなります。幅広い業界や企業から求められるようになるため、よりよい条件での転職や希望のキャリアを選択できる可能性が高まるでしょう。

またクライアント企業のIPOに関わった経験は、公認会計士にとって非常に貴重なものです。IPOに関わることで上場準備や財務報告のプロセスやルールを深く理解することができるため、ベンチャー企業のCFOなど重要なポジションでの転職も可能です。

人脈を得て独立しやすくなったタイミング

監査法人で一定の経験を積んだあとに独立したいと考えている人は、人脈を得たタイミングで辞めるのが効果的です。監査法人では多くのクライアントや関係者と接する機会があるため、人脈を広げることができます。

人脈は、独立する際に大きな強みとなります。独立する際には自分のサービスや価値を提供できる顧客を見つけることが重要ですが、人脈があれば紹介などで顧客を獲得しやすくなります。

また人脈があれば自分の知らない分野や問題に対しても、助言や協力を得られる可能性が高まります。

監査法人を辞めたあとの公認会計士のキャリアプラン7選section

監査法人を辞めたあとにはどんなキャリアを選択できるのでしょうか?キャリアプランについて解説します。

事業会社

事業会社への転職は、監査法人からのキャリアとして一般的な選択肢です。部門としては財務や経理、内部統制などが挙げられます。

上場企業では監査法人で培った知識やスキルを活かして高度な財務分析や決算報告などを担当できます。中小企業では経営者と直接コミュニケーションを取りながら、経営戦略や財務戦略の立案や実行に関わることが可能です。

IPO準備企業

挑戦的な環境や成長を求める人は、IPO準備企業への転職も考えられます。IPO準備企業では上場審査基準をクリアするための準備が必須なので、企業会計に詳しい公認会計士のニーズが高いです。

スピード感や柔軟性が求められ、ハードワークでもありますが、成長性の高い企業で働くことは自身のキャリアにプラスになるでしょう。

FAS

公認会計士としての専門性を活かしつつ監査以外の業務を経験したい人は、FASへの転職が有効な方法です。

FASではM&Aや事業再編などの案件に関わり、財務デューデリジェンスや評価・価格決定などのサービスを提供します。

監査法人で得た知識やスキルを活かしやすく、公認会計士を歓迎する求人も多いです。

コンサルティングファーム

コンサルティングファームではクライアントの課題解決に向けてアドバイスやサポートを提供します。監査法人で働く公認会計士の転職先としては財務系コンサルティングファームが一般的ですが、戦略や組織、人事などさまざまな分野のファームがあります。

論理的思考力や問題解決力、分析力など幅広い能力が高水準で要求される厳しい環境ですが、やりがいや成長を求める人にはマッチする可能性があるでしょう。

会計事務所や税理士法人

公認会計士の知見を活かしやすい環境として、会計事務所や税理士法人への転職も考えられます。

会計事務所や税理士法人では、監査だけでなく税務や会計などの業務を担当することが多く、顧客対応力や営業力も必要です。

将来的に独立したいと考えている人は、会計事務所や税理士法人での経験が役立つでしょう。

金融機関や投資銀行

金融機関や投資銀行に転職するプランもあります。

ここでは企業財務分析や企業価値評価、M&A取引などの業務を担当することが多く、監査法人で培った知識やスキルはもちろん金融市場やM&A実務に関する知識や情報も必要です。また、ビジネスレベルでの英語力が求められることも多くあります。

転職難易度は高く、公認会計士資格があっても必ずしも有利にはなりません。監査法人以外での経験も積んでから転職するのが近道になる可能性があるため、戦略的に活動を進めることが大切です。

独立開業

公認会計士としての知識・スキル・資格を活かして独立開業する方法もあります。公認会計士が独立開業する場合、会計コンサルや税務サービスを提供するケースが多く見られます。

監査法人での経験だけでは独立開業は難しい部分も多いので、会計事務所や税理士法人、コンサルティングファームなどで経験を積んでから独立することも検討しましょう。

監査法人を辞めたい会計士におすすめの転職エージェント5選section

監査法人を辞めて転職したい公認会計士におすすめの転職エージェントを紹介します。

ハイスタ会計士

ハイスタ会計士

ハイスタ会計士は、公認会計士とUSCPAの転職支援を専門とする転職エージェントです。

公認会計士の転職市場に精通したアドバイザーが監査法人を辞めたあとの最適なキャリアを提案し、納得のいく転職をサポートします。

監査法人におけるどの経験・スキルが次の転職先で活かせるのかを明確にして転職したい人は、ぜひハイスタ会計士に相談してみてください。

公式サイト:https://hi-standard.pro/cpa/

レックスアドバイザーズ

レックスアドバイザーズ

レックスアドバイザーズは、公認会計士・税理士・経理・財務人材を専門とする転職エージェントです。

特に有資格者の転職支援に強く、登録者のほとんどが監査法人や会計事務所などで経験を積んだ即戦力人材です。

監査法人を辞めたあとのキャリアにも詳しいため、まずは相談してみましょう。

公式サイト:https://www.career-adv.jp/

ジャスネットキャリア

ジャスネットキャリアは、公認会計士・税理士・経理の転職に専門特化した転職エージェントです。特に公認会計士のキャリアに詳しく、多彩なキャリアを提案してもらえます。

専門性の高いアドバイスやサポートが、監査法人から次のキャリアに悩んでいる公認会計士に人気です。

公式サイト:https://career.jusnet.co.jp/

マイナビ会計士

マイナビ会計士

マイナビ会計士は、公認会計士・USCPA・試験合格者を専門とする転職エージェントです。特に20代・30代の転職支援に強いエージェントなので、監査法人を辞めたい若手会計士におすすめします。

資格取得後のファーストキャリアに悩む人は、マイナビ会計士に相談してみるとよいでしょう。

公式サイト:https://cpa.mynavi.jp/

MS Agent

MS

MS Agentは、公認会計士を含む士業と管理部門系職種に特化した転職エージェントです。

30年以上の実績がある老舗のエージェントなので転職ノウハウが蓄積されており、的確なアドバイスやサポートが受けられます。特に事業会社への転職を検討中の会計士におすすめです。

公式サイト:https://www.jmsc.co.jp/

監査法人を辞めたい会計士におすすめのスカウトサイト2選section

監査法人を辞めたい公認会計士が、市場価値を測るためにおすすめのスカウトサイトを紹介します。

公認会計士のような高いスキルを保有する人材は、ハイキャリア向けのスカウトサイトで市場価値を診断することをおすすめします。

以下2つのスカウトサイトに登録すると、受け取るオファー内容によって、自分の市場価値を第三者目線で判断することができます。

リクルートダイレクトスカウト

リクルートダイレクトスカウト

リクルートダイレクトスカウトは、人材事業でトップクラスの実績を誇るリクルートが運営するスカウトサイトです。

公認会計士のように市場価値が高く、転職で年収アップやキャリアアップが狙える人材が登録しています。

まずは登録して、スカウトが届くのを待ってみましょう。

公式サイト:https://directscout.recruit.co.jp/

ビズリーチ

ビズリーチ

ビズリーチは、ハイクラス転職をうたうスカウトサイトです。

スカウトサイトのなかで知名度が高く、企業・エージェントの登録数は業界最大級です。応募できる人が限られるレアな求人に出会える可能性が高いでしょう。

公式サイト:https://www.bizreach.jp/

まとめ

ハードワークや責任の重さ、監査以外の業務への興味などから、監査法人を辞めたくなることがあります。

しかし辞めることにはリスクもあるため、辞める前にはキャリアプランやビジョンを描いておき、情報収集を怠らないようにしましょう。

転職エージェントやスカウトサイトへの登録も有効です。

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上場支援、CGコードの体制構築などに長けた、専門性の高い「弁護士」を社外取締役候補としてご紹介。事業成長とガバナンス確保両立に、弁護士を起用したい企業様を支援している。

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