弁護士におすすめの転職先6選!後悔しない転職を目指すポイントを解説

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「専門性を高めたいけれど、やりたい案件が割り振られない」

「一般民事(企業法務)ばかりやってきたので、企業法務(一般民事)に携わりたい」

「仕事が忙しすぎる、ワークライフバランスを整えたい」

そんな悩みを抱えている弁護士の方は多いのではないでしょうか。

弁護士は、社会的地位を確立している高収入の職業という印象が強いものです。しかし、事務所ごとに案件の偏りがあったり、昼夜を問わず働いたり休暇をとりにくかったりする実情があり、転職を考える弁護士も多くいます。

今まさに弁護士を辞めようと考え、転職先を探している方もいるのではないでしょうか。

この記事では、弁護士のキャリアやスキルを活かせる転職先を6つ挙げて紹介します。また、転職に失敗しないためのポイントや、弁護士の転職における注意点にも触れています。

弁護士を辞めたい、後悔しない転職先を探したいと考える方は、ぜひ参考にしてください。

目次
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弁護士の転職先として考えられる6つの選択肢とは?section

弁護士の経験・スキルは、どのような職種・転職先を選択すれば活かせるのでしょうか。

ここでは弁護士の転職で考えられる6つの選択肢を解説します。

一般民事・刑事系事務所から企業法務系事務所

一般民事や刑事事件を扱う法律事務所から転職する場合、企業法務を扱う事務所へ転職すると弁護士経験の幅をいっそう広げられます。

主に企業法務を取り扱っている法律事務所には、以下が挙げられます。

  • 五大法律事務所
  • 準大手法律事務所
  • 外資系法律事務所

など

その他、地域密着型で地元企業の法務相談をおこなう中小規模の法律事務所でも、企業法務に携われる可能性があります。

企業法務系事務所の取り扱い分野

企業法務系事務所は、おもに企業をクライアントにした法律業務を指し、各種法律相談や予防法務、紛争対応などをおこないます。

具体的な取り扱い分野は、以下のとおりです。

  • M&A
  • 知的財産
  • 不動産取引
  • ファイナンス
  • 不祥事対応・危機管理
  • キャピタルマーケット
  • ジェネラルコーポレート

など

企業法務系事務所の年収

企業法務系事務所の年収は、一般民事・刑事事件系の法律事務所よりも高水準であるケースが多く、五大法律事務所なら1年目から年収1,000万円以上が期待できます。

企業法務は社会的に注目度が高い案件など規模的にも金額的にも大型案件であることが多くなっています。

企業法務系事務所が向いている人

今回の転職軸が次の内容に当てはまる方は、企業法務系事務所への転職が向いています。

  • 企業の法務に携わりたい人
  • 大型案件を扱いたい人
  • 将来的に一般企業のインハウスローヤー・法務部に転職したい人
  • 特定の業界(IT・エンタメなど)の案件に興味がある人
  • M&A・知財など特定の分野で専門性を磨きたい人

企業法務系事務所から一般民事・刑事系事務所

企業法務事務所で働く弁護士には、一般民事・刑事系の法律事務所へ転職するルートが挙げられます。

法律事務所の規模は小さくなる可能性がありますが、おもに個人を相手にして幅広い業務・事件へ携われる可能性があります。

一般民事・刑事系事務所の取り扱い分野

一般民事・刑事系事務所が対応する分野の一例は、以下のとおりです。

  • 過払い金請求
  • 交通事故
  • 債務整理
  • 不動産
  • 離婚
  • 相続

など

また一般民事の場合、ひとりの弁護士が依頼から裁判まで担当するケースが多く、弁護士自身の裁量で業務を進めやすい点も特徴に挙げられます。

一般民事・刑事系事務所の年収

一般民事・刑事系事務所の年収は、経費などを差し引いた状態で500万円~1,000万円程度が妥当かもしれません。

企業法務系事務所からの転職だと、案件単価が下がる可能性が高いため、年収が下がる傾向にあります。

転職によって何を叶えたいのか、軸を明確にして転職することをおすすめします。

参考:近年の弁護士の活動実態について|日本弁護士連合会

一般民事・刑事系事務所が向いている人

今回の転職軸が次の内容に当てはまる方は、一般民事・刑事系事務所への転職が向いています。

  • 多ジャンルの案件を担当して経験値を上げたい人
  • 一通りの業務を自分自身で取り組みたい人
  • 顧客と直接コミュニケーションをとりたい人
  • 顧客の生活に寄り添いたい人
  • 独立開業を考えている人

インハウスローヤー(企業内弁護士)

近年、弁護士の転職先のひとつとして注目されているのが「インハウスローヤー」(企業内弁護士)です。

一般企業の法務部などに所属し、契約書のチェックや紛争対応などあらゆる法務問題に取り組みます。勤務形態や福利厚生は企業規定に準ずるため、ワークライフバランスがとりやすい点がメリットとなります。

インハウスローヤーを雇う企業は、上場企業など大手企業がほとんどです。

一般企業に所属する弁護士数は数年前まで一企業に1~2人いるかどうか、というところでしたが、近年では多いところで30~60名程度の人材がインハウスローヤーとして活躍しています。

以下は2024年6月時点で、インハウスローヤーを採用する企業の一部をまとめたものです。

企業名所属弁護士数
ヤフー株式会社74人
三井物産36人
三井住友信託銀行35人
アマゾンジャパン合同会社32人
丸紅28人
三菱UFJ信託銀行株式会社26人
野村証券25人
アクセンチュア株式会社24人
三菱商事24人
三井住友銀行21人

※企業ごとの所属弁護士数(一部抜粋)

参考:企業内弁護士を多く抱える企業上位20社の推移|日本組織内弁護士協会

インハウスローヤーの取り扱い分野

企業法務系事務所の弁護士との大きな違いは、プロジェクトを当事者として扱えるかどうかです。

企業法務を担当する弁護士はあくまでも外部から企業をサポートするのに対し、インハウスローヤーは組織の一員となってプロジェクトに関わります。外部弁護士は相談や問題が生じてから法的な視点でアドバイスするだけに留まりますが、インハウスローヤーは法的リスクを考えて問題が発生しないように事前に予防し、現場で直接法律知識を活かすことが求められます。

無資格の法務部員の場合は、契約書類のチェックなど定型業務が多いですが、インハウスローヤーの場合は経営層と同じ目線で事業計画やサービス開発に携わる場面が多くなっています。

インハウスローヤーの年収

インハウスローヤーのおおよその年収は750万~1,250万円がボリュームゾーンとなり、法律事務所に所属する企業法務弁護士よりもやや低くなりそうです。

しかし、事務所の勤務弁護士は業務委託契約であるのに対して、インハウスローヤーは正社員として雇用されるため、安定した収入を得やすいというメリットがあります。

管理職やCLO候補として採用される場合は、職位に応じた年収アップが約束されている可能性が高いため、経験やスキルによっては組織体制も鑑みて転職先を検討してみましょう。

参考:企業内弁護士アンケートの結果|日本組織内弁護士協会

インハウスローヤー(企業内弁護士)が向いている人

今回の転職軸が次の内容に当てはまる方は、インハウスローヤー(企業内弁護士)への転職が向いています。

  • 組織の一員として貢献したい意欲がある人
  • 特定の業界やサービスの法的業務に興味関心がある人
  • 経営視点を身につけたい人
  • 安定した収入を得たい人
  • 業務時間など、働き方を安定させたい人
  • 充実した諸手当や福利厚生制度を利用したい人

法律特許事務所

弁護士の転職先には「法律特許事務所」という選択肢もあります。

法律特許事務所とは、法律事務所と特許事務所が共存している事務所を指します。弁護士のほか、弁理士も在籍しています。

法律特許事務所の業務内容

法律特許事務所の具体的な業務内容には、以下が挙げられます。

  • 特許、商標、意匠などの出願業務
  • 権利侵害に関する対応
  • 侵害訴訟の対応
  • その他の法律相談

など

法律特許事務所へ転職すれば、たとえ知財案件に関する知識・経験が乏しくても在籍する弁理士と一緒に対応できるため、業務幅の広がりを感じられます。

また法律特許事務所は法律事務所の役割も担っていることから、知財関連以外の法律相談が寄せられるケースもあるようです。

法律特許事務所が向いている人

知財分野の知識をつけ、他弁護士との差別化を図りたい人に法律特許事務所への転職が向いています。

M&A業界

弁護士がキャリア形成を考えるなら、企業の買収や合併を支援・仲介するM&A業界への転職もよいかもしれません。

企業がM&Aを検討する場合、初期から経営統合にいたるまでの全工程で弁護士のサポートを必要とします。

弁護士がM&A業界へ転職する際は、M&AアドバイザリーやPEファンド、M&A仲介会社などの業種が候補に含まれます。

M&Aの業務内容

以下は、M&Aで弁護士が担う業務の一例です。

  • 案件成立に向けた条件交渉
  • リスクの洗い出し
  • 企業価値の算定
  • 契約サポート
  • 戦略の立案

など

転職が成功すれば、企業法務の専門性を活かしつつ、より高度で幅広い業務経験を構築できるはずです。

M&A業界が向いている人

今回の転職軸が次の内容に当てはまる方は、M&A業界への転職が向いています。

  • M&Aに対する興味関心が強い人
  • 専門性に磨きをかけたい人
  • ハイレベルで大規模な案件を担当して達成感を得たい人
  • コンサルティング能力を高めたい人

任期付公務員

弁護士の転職先には、地方公共団体や中央省庁などで弁護士スキルを活かして勤務できる任期付公務員もあります。

任期付公務員は3~5年の任期で採用されるケースが多く、さまざまな自治体、団体で求人が出されています。

日弁連が発表した「弁護士白書2023年版」によると、2023年6月時点で任期付公務員として働く弁護士は、全国で243人にのぼるようです。雇用先の一例には、以下が挙げられます。

  • 中央省庁等…内閣府、金融庁、外務省、法務省、国税庁、特許庁、経済産業省、国土交通省など
  • 地方公共団体…全国の地方自治体(総務部、公平委員会、法務部、家庭総合支援センター、市役所、教育委員会など)

参考:弁護士の活動状況(任期付公務員の状況)|日本弁護士連合会

任期付公務員の業務内容

任期付公務員の業務内容は、雇用先によって様々です。一例を紹介します。

  • 国や組織が進める事案の法的リスク調査や施策の実施
  • 訴訟対応
  • 職員に対する法律関連の指導や助言
  • 条例・規則の制定・改正に伴う法関連の対応
  • 顧問弁護士とのやり取り

など

任期付公務員の年収

任期付公務員の給与は自治体ごとに異なりますが、おおよそ800万円~900万円で設定されるケースが多いようです。

公務員の中ではかなり高収入と言えます。

任期付公務員が向いている人

今回の転職軸が次の内容に当てはまる方は、任期付公務員への転職が向いています。

  • 国や地域に貢献したい人
  • 将来的に勤務していた自治体で独立開業したい人
  • 自治体法務に注力する法律事務所へ入所したい人

参考:一般任期付職員の場合、給与はどのくらいでしょうか?|日本弁護士連合会

任期付公務員の状況|日本弁護士連合会

このように働き方の多様化が進む現代では、弁護士の専門性や希少性に注目してさまざまな業界からニーズが寄せられています。

転職先次第では、スキルアップやプライベートを充実させた働き方を実現できる可能性もあるでしょう。

そのためにも、転職のイメージを固めたうえで活動するのが大切です。

弁護士が転職先を考える際の3つのポイントsection

弁護士が転職を目指せる職種は、さまざまな業界・分野に存在しています。しかし、目的もなくただ転職活動を進めても希望に合った転職先を見つけられません。

ここでは、弁護士が転職先を考える際に重視すべきポイントを3つ解説します。

転職で実現したいことを明確にする

転職を検討している方は、きっと現状から変えたいことがあることと思います。まずは、現状で不満に思うことやさらに向上させたいことを洗い出します。

そのうえで、不満を解消したり自身を向上させるためにはどんな環境が必要なのか、現状と結び付けて考えることが大切です。

目の前の求人を見て条件だけで転職先を決めてしまうと、思わぬところでミスマッチが発生し、また離職につながってしまう可能性があります。

自分一人では言語化が難しい場合は、同業界にいる身近な人や、転職の専門家である転職エージェントを利用するなどして、現状の整理と条件選定を進めてみましょう。

興味が持てる・保てる業務を考える

転職先を考えていると、どうしても働き方や年収、福利厚生などの待遇に注目する方が多くいます。

しかし、どんなに好待遇な環境が整っている企業でも、やりたい仕事やまったく興味のない業務だと、長く続かない可能性があります。

短期間の転職回数が増えるほど、のちのち転職しづらい状況になるため、モチベーションを保てる業務を選択するのがよいでしょう。

経験やスキルとの相性もありますが、過去の案件で興味関心を惹かれたものを整理してみると、長く付き合える仕事が見つかるかもしれません。

スキルの棚卸をする

とくに弁護士が一般企業や自治体に転職する場合、新たな環境でこれまでの経験や身に着けたスキルがどう生きるのか、アピールする必要があります。

一般企業や自治体での弁護士需要は高騰していますが、いち組織における採用人数はまだ少ない状況です。求人の枠が1名分しかないことが大多数です。

転職市場で勝ち抜けるためには、やりたいことや応募先に応じて自分の経験・スキルの生かし方を伝えて、採用担当者に組織内で働く姿を具体的に想像させる必要があります。

自分自身の分析も重要ですが、HPや求人サイトをもとに、企業分析を徹底することで適切なアピールができます。

弁護士が転職する際の3つの懸念点section

弁護士が転職活動をおこなう場合、あらかじめ把握しておくべきことがいくつかあります。

ここでは、弁護士の転職における3つの懸念点を解説します。より良い選択をするためにも、確認しておきましょう。

年収低下のおそれがある

弁護士が異業種へ転職する場合、現在の年収よりも下がるケースが多数発生します。

弁護士は、あらゆる職種のなかでも高収入の部類です。たとえ中小規模の法律事務所に勤める弁護士でも、1,000万円程度の収入が見込めます。

一方、一般企業の社員となれば、年収上限が数百万円までしか到達しないケースもあるでしょう。

その分、業務量が落ち着きワークライフバランスを保てる可能性が高くなりますが、転職条件に年収を含める方は業界や採用ポジション、昇給回数など求人を細かく精査する必要があります。

採用段階で現年収より落ち込んでも、昇格やインセンティブで収入はアップするケースもあるため、給与形態はよく確認しましょう。

会社員が向いていない可能性がある

多くの弁護士は自身の裁量で仕事をおこなう、いわば「個人事業主」のようなものです。個人のやり方を貫きながら業務にあたっていると、会社員へ転職した際に窮屈に感じるケースがあります。

たとえば会社員の場合、就業時間はある程度固定されているケースが大半で、トラブルやイレギュラーが生じた際は上司へ報告したうえで判断をあおぐなど、決まった流れがあります。採用ポジションによっては、個人の評価に限らず、チームや組織の成果が自身の評価に反映される可能性があります。

反対に、個人の責任の重さが苦になっていたり、働き方を安定させたかったり、チームや組織を意識して働きたいという人には、むしろ会社員が向いていると言えます。

勤務弁護士の場合は、現状の働き方と比較して、どちらが自分にとってメリットが大きいのかを考えてみましょう。

独立の選択肢もある

弁護士には、転職が全てではありません。独立開業の選択肢も視野に入れ、比較検討するのがおすすめです。

日弁連が発表した「弁護士白書2013年版」によると、弁護士の就業形態は、経営者弁護士が64.6%で勤務弁護士が21.3%という結果になっています。つまり、独立開業をすることは弁護士としてのキャリアを積む中で多く選ばれる選択肢であるということがわかります。

参考:弁護士実勢調査について/弁護士の就業形態

弁護士が転職に迷ったら、専門家に相談を!

弁護士は、個々の経験や在籍していた法律事務所によってスキルや専門性が異なります。

そのため、転職先を考える際は自己判断するのではなく、客観的視点で助言してくれる転職エージェントにサポートを依頼するのがおすすめです。

弁護士は特別なキャリアを積んでいるため、総合型転職支援サービスよりも内情を理解している『弁護士特化型』の転職支援サービスの利用がおすすめです。

例えば、弁護士特化の転職エージェント「NO-LIMIT(ノーリミット)」は、法律事務所の集客支援サービスから派生しているため、事務所の内情を把握しています。

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上場支援、CGコードの体制構築などに長けた、専門性の高い「弁護士」を社外取締役候補としてご紹介。事業成長とガバナンス確保両立に、弁護士を起用したい企業様を支援している。

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