令和3年3月1日の改正会社法の施行がなされ、社外取締役に関する議論も盛り上がりを見せており、コーポレートガバナンスやIPO経験のある弁護士を社外取締役等の外部監査役員に採用したいというニーズが増えています。
しかし、実績のある社外取締役の採用はVC(ベンチャーキャピタル)経由でも困難を極めており、企業側はVC経由意外に採用する場所の確保、実績のある弁護士はヘッドハントされる機会のマッチングがうまくいっていないのが現状です。
上場予備軍500社、社外取締役の争奪戦 指針強化で対応急務
人気人材は2年待ちも スタートアップ 社外役員や監査役といったガバナンス人材の確保に悩むスタートアップが増えている。上場を目指すスタートアップが増え、金融庁などが定める企業統治指針(コーポレートガバナンス・コード)を見据えて体制を整えるためだ。成長の早いスタートアップのガバナンスを担える人材供給には限りがあり、適切な人材探しを支援するサービスも求められている。引用元:日経新聞
その問題を解決する糸口になるのが『社外取締役マッチングサイト 』です。最近では、顧問紹介などを行うエージェントの中で、社外取締役紹介に関するサービスをローンチするものが出てきています。
そこで今回は、社外取締役のマッチングにおすすめのサービスと、それぞれの概要を解説しつつ、特徴やメリット、デメリット、エージェントサービスの可能性とも比較して解説します。
実績のある社外取締役の採用・求人を探す既存方法4つsection
社外取締役の求人や募集、ひいては採用は、どのように探すのでしょうか?
会社の役員については、雇用ではない上、単なる業務委託契約とも異なります。そこで、どのような手段・方法で、社外取締役の求人オファーを受けることができるかをみていきます。
VC(ベンチャーキャピタル)・証券会社からの紹介
一般的には、投融資においてコネクションの強いVCや証券会社が、弁護士業界とのコネクションを活かし、相応の人材を紹介するというパターンです。ただ、上場準備における社外監査役の採用は「中堅事務所のパートナー以上の弁護士」「弁護士意外では公認会計士が望ましい」という見解もあり、技術トレンドの変化が激しいIT(情報技術)では特に、その分野に精通した弁護士の確保は、VC(ベンチャーキャピタル)・証券会社でも難しいのが現状です。
社外取締役(役員)候補者名簿への登録
日弁連では、社外役員候補者名簿というのを作成しているところがあります。第二東京弁護士会では、名簿に登録された人に、社外役員の求人案件を案内するという制度があります。これは、登録している弁護士会員からの希望制で、研修受講などの一定の要件をクリアした者を名簿に登載し、第二東京弁護士会のHPにて、一般公開するものです。
名簿に記載する事項は、基本的な項目のほか、コメント欄として自由記述となっています。担当した事件というよりも、達成したことを中心に示すこと、MBAや留学経験などの経歴は重要なポイントになりえます。
転職エージェントからの推薦
上記のような弁護士会の名簿・リストのみでは、企業側全体の社外役員ニーズをカバーしきれているとは限りません。そこで、転職エージェントから求人募集企業の中で特に社外役員のポジションを探している場合に、推薦を受けることも考えられます。
能動的に、社外役員の求人紹介を申し出たりすれば、社外役員の求人を持っている転職エージェントであれば、紹介してもらえることもあります。
マッチングサイトの利用
現在は、社外取締役の候補者を探している企業と、社外取締役等の社外役員になりたい人とをマッチングするサイトがあります。詳細は、この後解説していきます。
登録した企業と、社外取締役等の役員になりたい登録者とをマッチングさせるサイトがあります。マッチングサイトを使うと上記でご紹介したような弁護士会の名簿、VCなどあるいは転職エージェントの紹介よりも能動的に、社外役員の求人を探すことができます。
この記事では、厳選した8サービスついてご紹介していきます。
EXE[エグゼ]|社外役員経験を持つプロフェッショナルとマッチング
公式サイト:https://exe-pro.jp/
資料請求はこちら:https://exe-pro.jp/document/
社外役員経験のある弁護士・公認会計士を専門に紹介するサービス。上場準備中のスタートアップ、コーポレートガバナンス・コードを見据えた体制構築などに長けた、専門性の高い弁護士をご紹介可能です。事業成長とガバナンス確保両立の為に、弁護士を起用したい企業様を支援している。
EXE[エグゼ]の特徴
IT・メーカー・医療など、各分野に精通した弁護士をご推薦
御社の希望するポジション・事業戦略をヒアリングし、最もマッチした経験をもつ弁護士をご推薦いたします。
経歴だけでなく人柄もマッチング対象
当社では紹介前に候補者と面談を行っており、経歴だけでなく人柄面も把握することで最適なマッチングを実現いたします。
適正な人材をスピード紹介
社外取締役として適切な人材探しが難航し、一向に進まないといった「不要な時間」を短縮。社内体制の構築にスピーディに対応します。
EXE[エグゼ]で選任できる社外役員事例
特徴 | 詳細 |
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年齢 | 40代/男性 |
資格 | 弁護士 |
経験業界 | メーカー |
経験 | JASDQ上場企業社外取締役,監査役等 |
得意領域 | 監査業務、ハラスメント防止対策、コンプライアンス、労務管理対応 |
特徴 | 詳細 |
---|---|
年齢 | 50代/男性 |
資格 | 弁護士、公認会計士 |
経験業界 | ウェディング,金融投資 |
経験 | 上場企業社外監査役、社外取締役 |
得意領域 | 投資法人の監督役員、学校法人の認証評価、コーポレートガバナンス |
特徴 | 詳細 |
---|---|
年齢 | 40代/女性 |
資格 | 弁護士、公認会計士 |
経験業界 | IT企業 |
経験 | 取締役・監査等委員 |
得意領域 | コーポレートガバナンス、国際ビジネス法務、国際紛争解決 |
EXE[エグゼ]のメリット
上場準備中・ガバナンス体制の構築などに知見のある弁護士を、社外取締役に起用したいという需要が高まる一方で、証券会社、VCでも紹介するのが難しい現状があります。EXE[エグゼ]は、ビジネス相談仲介(スポットコンサルサービス)のような一過性のサービスではなく、企業の置かれているステージ・状況・ニーズに応じた「適切な人材を、適切に紹介」。
また、選任が難しい女性役員も登録が多く、全登録者のうち20%が女性役員というのも特徴的。
公式サイト:https://exe-pro.jp/solution/woman/
資料請求はこちら:https://exe-pro.jp/document/
KENJINS
いわゆるダイレクトリクルーティングサービス(以下、「DRS」という。)を提供しているのが、プライドワークス株式会社が運営している『KENJINS』です。
この会社は、2018年7月に、顧問人材に特化したDRSを開始し、従来は、導入企業から初期費用および月額数十万円にも及ぶ料金を徴収していた一方、顧問人材登録者に対しては、10万円程度の月額報酬しか支払っていないなど、中間マージンの搾取が横行を排除したのが特徴的なサービスです。
KENJINSの特徴・メリット
KENJINSでは、導入企業と顧問人材登録者とが直接、やり取りをしながら条件などを設定できます。そのため、ミスマッチが防げる上、中間マージンの搾取ができなくなるようになっています。
このように、KENJINSでは、導入企業側は顧問料の適正化を実現でき、顧問人材登録者側は顧問料を100%取ることができるという仕組みを敷くことで、両者のベストマッチを実現していることが特色であり、かつ最大のメリットといえます。
したがって、顧問・社外役員ポストへの就任を目指す弁護士側としては、顧問料をきっちり取ることができる点で、メリットが高いといえます。
そのほか、顧問紹介にかかるコストを極力0にしている点です。具体的には、中間マージンのほか、求人掲載費用、採用成功報酬をいずれも0円としています。こういったコストパフォーマンスも、KENJINSを利用する最大のメリットであるといえます。
参考:KENJINS公式サイト
KENJINSの評判
KENJINSの評判としては、
- 「顧問報酬100%で余計なマージンが取られないから高単価の案件が多い」
- 「無料で利用できるのにサービスが充実している」
- 「海外で活躍できる案件が多い」
との口コミがあるそうです。
他には、公式サイトによれば、クライアント企業から、次のような評判があります。
- 自社の若手営業では会うことが困難な役員クラスの人と商談機会を毎月2件設けてもらうなどしたことで、半年で大手企業3社との新規取引を開始することができた。
- 競合との差別化に悩んでいたところ、プロのサポートの結果、6ヶ月で自社独自ブランドの構築をすることに成功した。
- 大手企業との業務資本提携を希望していたところ、KENJINSを活用してマッチしたプロ人材から、候補企業のリストアップや役員との交渉、契約締結に至るまで支援をしてもらうことができた。
顧問名鑑(社外取締役名鑑)
顧問名鑑では、2015年3月27日から、顧問紹介だけでなく、社外取締役の紹介・マッチングサイトである『社外取締役名鑑』をオープンしました。約21000名以上の人脈という規模の大きさが特徴です。
顧問名鑑のメリット
社外取締役名鑑では、公式サイトにあるように、候補者の肩書が著名な企業のCEOや執行役員ばかりです。こういったネームバリューの高い候補者が多いことも、特徴といえるでしょう。
導入企業と顧問名鑑の間では、業務委託契約が結ばれます。そして、顧問名鑑がクライアント企業のソリューションを顧問に説明し、顧問と経営課題のすり合わせをしたりします。他方、顧問は、クライアント企業の経営全般の課題抽出などを行った上、アドバイスや具体的な施策の実施についてコンサルティングなどをします。
顧問名鑑は、全体的に、クライアント企業と顧問との間のミーティングのセッティング、顧問に対する助言・指導、プロジェクトに関するスケジュールの策定や進捗の管理などをします。
社外取締役名鑑では、顧問のところが社外役員候補者に置き換えられる形になります。
参考:事業概要|顧問名鑑
顧問名鑑の評判
口コミなどは、比較的新しいサービスであるということもあり、信憑性のあるものはまだまだ少ないです。ただ、実例としては、食品メーカーや資材の通信販売事業者などで、法律事務所などのパートナークラスの弁護士が社外取締役に就任している例があるようです。
HiPRO BIZ(旧:i-common)
HiPRO BIZ(旧:i-common)は、企業の様々な経営課題や事業活動におけるシーンで、企業と課題解決のため最適な専門的知見・スキルを持つ人材とをマッチングさせる、社外取締役・監査役の紹介サービスです。
HiPRO BIZ(旧:i-common)のメリット
登録企業と、顧問や社外役員を希望する個人の登録者とが、相互につながることができます。特徴としては、個々のビジネス課題を軸に、役員等の候補となる専門家とマッチすることができる点です。
HiPRO BIZ(旧:i-common)の評判(公式サイトより)
新規事業の立ち上げの経験を豊富にもつ専門家のサポートにより、マーケット調査や事業収支計画作成などの準備を着実に進め、事業化の承認を獲得。晴れて新会社設立およびサービスリリースに至った(三菱地所コミュニティ株式会社)。
計4名の専門家から、必要なノウハウを必要なタイミングで取り入れて課題を解決。クラウドファンディングを活用し応援購入者に向けたサービスリリースを実現した。現在も機能改善や事業開発の取り組みが継続している(日本電気株式会社)。
など、クライアント企業側が満足の人材に巡り合えたとの声ばかりです。これは逆に言えば、登録者にとっても、自分を必要とする最適な環境で知見やスキルを活かすことができるということでもあります。
ビザスクboard
ビザスクboardは、日本最大級のナレッジプラットフォームとされるビザスクが提供する、特に社外取締役・社外監査役の紹介に特化したマッチングサイトです。
ビザスクboardのメリット
社外取締役等の社外役員へのポストを希望する候補者は、ビザスクに登録します。
ビザスクboardは、導入を希望する企業が社外取締役等の候補者選定にあたって、経営状況や期待する役割をヒアリング等した上で、12万人以上の知見データベースから、その要望に適した候補者を選定・提案するというものです。
企業側は、その提案を受けて、選考を実施し、オファーを決定した場合には、自社での株主総会決議を経て選任することになります。このように、企業側主導で社外取締役等の候補者を探していく形となり、社外役員を希望する側は、ビザスクに登録して専門的知見を提供することで、その内容に適した紹介が来るシステムになっているのがメリットです。
ビザスクboardの評判
2020年12月21日から開始したサービスということもあり、ビザスクboardに関する口コミ・評判などは情報がほとんどありません。もっとも、ビザスク自体のサービスについては、以下のような活用事例があります。
新規事業に関するスポットコンサルを探していた。業界的にはニッチな領域ではあったが、案件のキーワードと要件を伝えてアドバイザーにリサーチを依頼したところ、4,5人もの候補者が出てきた。その中で、一人、理想としていたキャリアを持った人材の方がいた(丸紅株式会社)。
中国での新規ビジネスのプロジェクトを進めていくにあたり、中国でのビジネス展開の方向性の検証や、フードバリューチェーン市場などに関するリサーチを依頼したいと考え、実際に事業を展開している人からの情報収集を試みた。スピーディーに候補者リストを出してもらい、テーマごとに10名のアドバイザー候補をリストアップしてもらうなど、最適なマッチングに至るために有益な情報をもらうことができた(株式会社デンソー)。
パソナ顧問ネットワーク
パソナ顧問ネットワークは、各種の経営課題を軸に、専門的知見を有する登録人材をクライアント企業に紹介するサービスです。特徴としては、5つの経営課題を軸にしている点です。それは、新規事業、営業戦略、マーケティング、人事、IT戦略の5つです。また、柔軟なプラン調整が可能で、期間の設定などの点で様々な契約条件の設定が可能です。
パソナ顧問ネットワークのメリット
企業側は事業における課題レベルで人材を選択し、プロジェクト単位で業務委託契約をすることになるため、企業側のコストの最適化と登録する顧問候補者側の提供するノウハウ等の内容とのミスマッチが生じにくい点が挙げられます。
なお、「顧問」と掲げていますが、社外取締役等の案件もあります。
パソナ顧問ネットワークの評判
プロジェクト開始に際してコンサルティングシステムとパソナ顧問ネットワークの利用との二択で、パソナに決めた理由が2つあった。1つは、マッチングまでのスピード感が非常に速くプロジェクトをスムーズに進行できそうであると感じたこと。もう1つは、マッチングの精度が非常に高く、仕事の質がよかった(株式会社シロ)。
プロフェッショナル人材バンク
東証一部上場のエスプールという会社が運営しているサービスで、2000社を超える支援実績と、多様な業界における9000名以上の顧問との課題解決実績があるのが特徴です。
プロフェッショナル人材バンクのメリット
プロフェッショナル人材バンクも、クライアントとなる企業側が最適な社外役員候補を探す形となる点で共通しています。他方で、依頼したい具体的な業務領域と、作業内容・業界による選択が可能である点が、他にないような特徴です。
プロフェッショナル人材バンクの評判
- 「後顧の憂いを感じず事業推進に専念できる心理的メリットは計り知れない価値でした。」(IT・メディア関連企業)
- 「現場で汗かいてコミュニケーションを頂けた事で信頼が厚くなりました。先生なしでは改善出来ず事業は中止していたと思います。感謝しかありません。」(食品メーカー)
- 「商談前に、顧問を通じて事前に先方のニーズについて伺うことが出来たため、当日の対案に備えることが出来ました。」(IT・メディア関連企業)
QEEE(キウイ)
QEEEは、簡易なスポットコンサルの候補者とクライアント企業をマッチングするサイトです。特徴としては、スポットコンサル、必要なドキュメント・インフォメーション、ソリューションコンテンツを含んだマガジンを求めている企業とのマッチングに特化している点です。
QEEEのメリット
直接的には社外役員というオファーには結び付きにくいものの、反復継続的に案件を受けることにより信頼関係が生まれ、社外役員へのポジションへの足掛かりとなるようなものになることがメリットとして考えられます。
採用できる社外取締役のマッチングサイトはどう選ぶ?比較すべき3つの基準section
どんな企業が登録しているのか
マッチングサイトの中には、それぞれクライアント企業の事業規模などが異なります。おおよそ、大企業、ベンチャー企業、中小企業といった区分があります。
各種マッチングサイトの中の活用事例からは、次のようなものが挙げられます。
- 大企業:TOYOTA、丸紅、kuraray、GEO、LION、RICOH、avex、Panasonic、積水化学工業、三菱電機、株式会社日本政策投資銀行、三菱UFJ銀行、三井住友銀行、みずほ銀行、TOSHIBA など
- ベンチャー企業:GMO、ChatWork、グッドパッチ、シグマクシス、JT、丸の内キャピタル、コニカミノルタ、DCMベンチャーズ、ユーザベース など
このような企業の中から、自分がどのような事業規模あるいは会社規模を望むのか、どの程度の知見やスキルが求められるのかなどを踏まえて、社外役員就任を目指す起業先を決定していくことがポイントです。
ただし、有名な大企業との取引があるから良いサービスという訳ではありません。大事なのは
- ・そのサービスが抱えている弁護士の数や質
- ・IT業界や特定の業界に特化した人がどのくらいいるのか
- ・弁護士の業務内容を把握した上で相談ができる体制が整っているか
こういった点も注視しなくてはいけません。
どのようなポジションがあるのか
法務に関する知見やキャリアを活かせるようなポジションとして、マッチングサイト等にはどのようなポジションがあるのでしょうか?法務スキルとの親和性という観点から、みていきましょう。なお、こちらの記事もご活用ください。
コンプライアンス・コーポレートガバナンス
内部通報制度や個人情報保護、株主総会、取締役会の運営、各種計算書類のチェック・開示に関する業務などは、金商法や各種運用基準に適合することが求められます。
IPOを目指す企業は、このようなポジションを用意していると考えられますので、IPO準備段階の企業であるかといった点から、コンプライアンスのポジションの有無がポイントになります。
人事労務
上記のようなガバナンスに関するポジションのほか、従業員の労働環境の適正化に関して、法務人材が求められる例があります。人事評価制度の構築、セクハラやパワハラの防止体制、労災防止に関する制度構築が求められます。そういった観点から、人事労務に関するポジションとして、弁護士のニーズが出てくると考えられます。
M&Aアドバイザーなどの経営戦略ポジション
より事業の戦略構築に近いポジションも、法務の知見とスキルを活かすことができるかどうかという点に関わります。また、新規事業をしていく上で、ビジネスモデルの適法性をチェックするなどの場面で、弁護士の知見が活かされると考えられます。そのようなポジションも、ポイントとなるでしょう。
アドバイザーは経営に近い人間か?
マッチングサイトの運営者やアドバイザーが、経営に近い観点からアドバイスをくれるかどうかという点もポイントです。
どのような形で法務の知見とスキルが要求されるか、具体的にどのような経営課題を持つ企業が社外役員として弁護士を登用したいかなどのニーズ把握を的確に行っているかは、重要です。就任先の企業の求めるものと、弁護士としてのキャリアを活かすのに適切であるかの判断基準となりうるからです。
【弁護士向け】社外取締役への就任なら特化型エージェントの利用がおすすめsection
弁護士などの法務人材特化型のエージェントも、社外取締役を経験した方を募集する企業への紹介を行っている場合があります。
弁護士特化型の転職エージェントであれば、弁護士業界に精通したエージェントであるため、法務のエキスパートとしての知見やスキルを活用できる最適なポジションを紹介できる可能性が高いです。
そして、何より、弁護士という立場でのバックグラウンドを持った人材が欲しいという企業側のニーズとのミスマッチもほとんどないと考えられるため、社外役員を目指す弁護士の側も安心のマッチングを実現できると考えられます。
類似のサービスや制度とも比較しながら、考えていきましょう。
弁護士会の登録名簿との違い
弁護士会の登録名簿のメリット
弁護士会の登録名簿であれば、弁護士会のお墨付きという権威性があります。その点で、弁護士会の登録名簿であれば、企業側からの信頼の度合いが極めて高いというメリットが考えられます。また、ある程度適したキャリアセットがあれば、登録可能で紹介される可能性も十分にあるという点もメリットであるといえます。
デメリット
登録名簿がある地域とない地域があるため、所属弁護士会による格差があるというデメリットが挙げられます。
また、弁護士側は、プロフィールを書いておくだけになるのが特徴です。そのため、コピーライティングのスキルや、自分自身のセルフブランディングのスキルが紹介の量を左右する側面があります。その点で、あまりそういったスキルに自信がない人にとっては、デメリットであると考えられます。
マッチングサイトとの違い
マッチングサイトのメリット
ネット上での簡易な登録により社外役員に関するオファーを受けることが可能であること、数多くのマッチングサイトに登録しておくことで、より多くのオファーを受けることができる可能性が高まることがメリットとして挙げられます。
また、サイトによっては、非常に多種多様な企業の依頼を集めているものがあるため、マーケットとして規模の大きな領域で自分を売り込むことができる点がメリットといえます。
デメリット
弁護士に特化しているものでないものがほとんどで、弁護士の社外役員紹介に特化しているわけではないのがデメリットです。また、スポットコンサル・顧問という形態でのマッチングサイトが多く、社外役員になりたいという弁護士のニーズと合致するものは限定的であるという点も挙げられます。
このような比較検討から、弁護士が社外取締役の就任を目指し、紹介案件を受けるには、やはり弁護士に特化した人材紹介会社・サイトを利用することが最適であるといえます。
社外取締役への就任が期待できる専門エージェントsection
弁護士など法務人材に特化した転職サイトの中で社外取締役候補を募集しているのは、まだまだ少ないですが、下記のサービスは評判です。
EXE[エグゼ]
EXE[エグゼ]は、社外取締役・監査役マッチングサイトですが、弁護士の転職に特化したエージェント『NO-LIMIT』の派生サービスとしているため、法律事務所やインハウスの求人を多数取り扱っています。
具体的には、クライアント企業のコーポレートガバナンス体制の強化、取締役会などの会議体の運営、コンプライアンス・内部統制に関するシステムの構築・運用に関する業務です。IPOに関する案件に強い弁護士、コーポレート、コンプライアンス体制の構築などを得意とする弁護士の方はご利用ください。
MS-Agent(MS-Japan)
MS-Japanが提供するMSAgentでは、社外役員や非常勤役員の募集があります。MS-Japanは、管理部門に特化した転職エージェントです。管理部門ではありますが、弁護士を対象とする求人案件を多数保有しています。
まとめ
顧問をはじめ社外取締役のマッチングサイトは、数多く存在すことがお分かり頂けたかと思います。他方で、弁護士に特化した社外取締役等のマッチングサイトは、まだまだ少ないです。
もちろん、既存の社外役員等のマッチングサイトもありますが、弁護士に特化しているものは、多いとは言えません。弁護士業界は、特殊な部分も多いことから、やはり業界に精通したエージェントを利用する事でベストマッチできる可能性は高まると言えます。