法務に採用したい人とは?採用の傾向から平均年収まで徹底解説

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法務は、会社内や取引先等との法律問題を未然に防いだり、トラブルや紛争が発生した場合に対処を行なったりします。名称からも分かるように、会社内の法律に関する部署で、採用する人も法務経験者や法律分野を勉強してきた方が望まれます。

こちらの記事では、法務を採用するにあたって事前に知っておくと良い次の内容を解説します。

  • 法務の仕事内容
  • 法務採用の傾向
  • 採用した法務担当者の給与相場
  • 法務として採用したい人の特徴と資格

これから法務の採用を考えている方は、ぜひ優秀な法務を採用する際の参考にしてください。

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法務の業務内容section 01

法務部門は、企業や組織の内部で法的な問題を処理し、法律や規制に適合した労働環境を作って法律トラブルの発生を未然に防ぐことが求められます。そのような法務の仕事内容には、以下のようなものがあります。

社内の法律相談の対応

法務部には、社内に相談窓口を設置して、従業員や上級管理職からの法律相談に応じ、解決策をアドバイスする業務があります。

相談内容は主に、ビジネスを行う上での契約や新規事業において法的に問題がないかの確認がされます。また、社内でのハラスメントなどのトラブルの相談に乗ることも法務部の仕事です。

取引先との契約書等の作成・確認

ビジネスを行う上で、契約書を交わす場面は多数訪れます。契約内容や契約相手によっても契約書はそれぞれ違ってくるため、その都度確認を行い、適した契約書の作成・確認を行います。

取引先から契約を持ちかけられた場合にも、契約内容を読み解いて、自社にとって損はないか?万が一トラブルが起きた場合にどのような対処ができるか?などを契約を結ぶ前に法務部で判断できなくてはなりません。

社内規定の整備・労働基準法等の遵守

法律遵守は取引相手だけではありません。従業員を雇っている以上、労働基準法等の会社運営に関わる法律を守らなくてはなりません。

会社が労働基準法などを守れていない場合には、従業員から残業代請求などの紛争が起きてしまう可能性を高めるため、会社が従業員に対して法律を遵守できているかも目を光らせていなくてはなりません。

また、従業員に社内の規律を守ってもらい、問題行動を起こした従業員の処遇を定めるために、就業規則等を整備・規定する仕事も法務部の仕事です。社内規定と言っても、全てが会社の独断で決めることはできませんので、法律を守りながら定める必要があります。

また、法律は年々変更が加えられることになりますので、法令遵守を監視し、規制や法律の変更に関するアップデートを行う必要もあるでしょう。

法的トラブルの対応

このように事前にリスクマネジメントを取っていたとしても、実際に法律トラブルが起きてしまう場合があります。会社内で多い法律問題として、次のような内容があります。

  • 未払い賃金請求
  • ハラスメント問題
  • 労働災害の発生
  • 社内で犯罪行為を行うなどの問題社員
  • 取引相手の未払い問題

紛争相手との交渉に応じたり、場合によっては裁判や調停に代理人として出席をしたりして、法的に対応する場面も出てくるでしょう。

法務の採用状況と転職市場の特徴section 02

法務を採用するにあたって、法務の転職にはどのような傾向があるのかを知っておかなくてはなりません。こちらでは、法務の採用状況や転職市場の特徴について解説します。

法務経験者は年齢が30代以降になってくる

先にお伝えすると、法務の採用では高い法律知識が求められますので、経験者を採用することが通常です。ただし、法務経験者は司法試験の受験期間や弁護士資格を取得して司法修習を行なっている期間を経て法務部で働いている方も多いため、30代以降の求職者がほとんどになります。

若手を採用したいと考えている方は、法務の経験がある若手は少なく、採用が難航しやすいことは認識しておきましょう。

法務採用を積極的に行うべき企業

「良い人材からの応募があれば採用しよう」「とりあえず求人の掲載だけしてみよう」と考えている採用担当者もおられるかもしれませんが、次に挙げる会社は一般的にも法務の採用を積極的に行なっていますので、当てはまるようでしたら法務担当者の重要度が高い可能性があります。

  • 大企業
  • 広告や広報などで積極的に情報発信をしている企業
  • 急成長している中小・ベンチャー企業
  • 新規事業を開始する企業
  • もともと法律トラブルが多い会社

法務の仕事を兼任している担当者も多い

上記の会社に当てはまらないような中小企業などでは、そもそも会社に法務部がなく、総務や人事が一部の業務を兼任している場合もあります。

より専門的なアドバイスやトラブル発生時には顧問弁護士等に依頼することもあるでしょうが、自社内で1人でも法律に強い人物を採用することができれば、自社内でも法律に関する対応のノウハウが蓄積していきます。

法務部未経験の採用について

未経験での法務採用をしている企業もないとはありませんが、そもそも採用枠も少なく、採用する人を厳選すべき部署でもあるため、未経験を採用することはどうしても求職者が現れない場合に検討しても遅くはないでしょう。

特に法務部がまだなかったり、機能していなかったりする会社で責任ある立場を任せる可能性があるようでしたら、経験者や弁護士資格等を持っている人物でないと務まらない可能性もあります。

一方で、すでに法務部内に法律知識を持ち合わせている人や企業内弁護士を雇っている会社で、法務部の業務の一端を担う採用であれば、未経験者でも適性があれば採用しても良いでしょう。

ただ、未経験採用でも、法学部やロースクール出身、司法試験の受験経験ありなどの法律に関する興味が強い方でないと業務に馴染めないことが予想されます。

法務部で採用する場合の平均給与section 03

新たに法務部で採用する場合、採用する方の給与も決めなくてはなりません。法務部は他部署と違って専門知識や経験が求められるため、他の職種と同様の給与帯での応募をしてしまうと、満足できる人材からの応募が来ない原因になってしまいます。

複数の転職サイトを参考にしながら、採用する法務部の給与を決めていってください。

スクロールできます
職業平均年収平均月収(年収÷14ヶ月分)参照サイト
法務634万円45.2万円doda
法務550万円39.2万円求人ボックス
法務577万円41.2万円Indeed
法務591万円42.2万円転職会議

法務部の平均年収は550万円〜、平均月収40万円〜になると思っておきましょう。

この金額を目安に、自社内の法務部の平均給与や採用者の経験・スキルの有無、前職の給料などを参考にしながら、実際に支払う給与を決めていってください。

法務で採用したい人・向いている人の特徴section 04

ここまで何度かお伝えしているように、法務部では法律知識が求められ、経験者であることが望まれますので、まずはこの2つはマストで経歴を確認していきましょう。その上で、求職者に次のような性格や適性が備わっているかを判断していきましょう。

法律知識や法律に対する興味・関心

お伝えしているように、法務の仕事では様々な法律と触れることになります。法学部出身など、できる限り法律について学んできた方を優先的に採用することをおすすめします。

資格や学歴、経歴で法律に関わる機会がなかった方を採用する際でも、最低でも法律に対して興味・関心があるかどうかは確認をしてください。

法律は年々変更になることも多く、日々知識のアップデートが必要になります。もし法律にあまり興味がない人を法務で採用してしまったら、覚えることが多いことに対して苦痛に感じてしまう人も出てきてしまうでしょう。

コミュニケーション能力

ほぼ全ての職種で必要とされるコミュニケーション能力ですが、法務の仕事でも同様に必要とされます。

法務の仕事では、従業員や顧客、取引先などと関わる機会もあります。特に法律問題に直面している人は、感情的になっていることも多く、十分なコミュニケーションが取れないことによって問題が悪化してしまう事態にもなります。

また、法律は難しい内容が多く、説明してもなかなか理解してもらえないことも多いです。法務担当の知識が十分だったとしても、相手が法律に詳しいとは限りません。そのような場合でも、相手の立場に立って分かりやすく説明できる能力が求められます。

リスクマネジメント能力

法務部を設立する大きな目的に、将来起こり得る法律トラブルを未然に防ぐためのリスク管理にあります。将来起こり得るトラブルを予見し、それに対して契約書や就業規則等であらかじめ対応しておきます。

労務の経験や法律知識がある方であれば、それに応じてリスクマネジメントも上手くなってきます。一方で、経験・知識に乏しい方でも、慎重な方や想像力がある方、責任感がある方などがリスクマネジメントも上手い傾向にあります。

交渉力

コミュニケーション能力の高さだけでなく、取引相手や相談者に納得してもらって、自社に対しても良い条件での契約・解決方法を取れるような交渉力がある方であれば、いざトラブルが発生したような場合でも心強い存在になります。

知的好奇心や向上心

法律知識はあると良いとお伝えしましたが、さらに本人の知的好奇心や向上心も求められます。法律やビジネスを取り巻く環境の変化に柔軟に対応できるためにも、常に情報収集を行い、知識を更新していく向上心を持っている方が望まれます。

近年でも定期的に起きる会社の不祥事や炎上の問題では、「昔からやっていたことだった」「業界では当たり前だった」など、時代の変化に対応できないことが原因であることも多いです。常に変化に対応できる能力も、リスク管理の観点から法務部に求められます。

他の管理部門の知識・スキル

法務としての役割を全うする上で必要になる知識は、法律だけとは限りません。法務には、ビジネスの側面からも優位になる契約や交渉なども求められるため、法律だけでなく、会計、財務、税務などの幅広い知識があることで、より会社に対して有効な契約書や規定を作ってくれることが期待できます。

法律を学んでいる方は、そもそも知的好奇心が強い方も多いので、このように会計、財務などに詳しい人も多いです。

より優秀な法務担当者として採用したいのであれば、幅広い知識を持っていると期待が高まりますので、法律知識以外の管理部門の知識・経験などにも注目してみましょう。

法務として採用したい人の資格section 05

法務部で採用すべきかどうかを分かりやすく判断するには、資格の有無で判断する方法があります。特に法律に関する資格はたくさんあり、法律を学ぶ人には知的好奇心が高い人が多いため、資格保有者も多いです。こちらの項目では、法務の仕事に向いている資格をご紹介します。

士業資格

法律関連の資格と言えば、士業に関する資格ですね。弁護士を始めとした士業の資格を思っている方は、試験合格のために法律の勉強を重ねてきた人だと判断できるため、資格保有だけで法務に一定数の適性はあると判断できます。

代表的な士業資格として次の資格が挙げられます。

  • 弁護士
  • 司法書士
  • 行政書士
  • 公認会計士
  • 税理士
  • 社会保険労務士

いずれも簡単には合格できない試験で、勉強時間も100時間を超えてくる資格であるため、実務能力や知識の高さの証明だけでなく、法律分野に関して本人が強い関心と勉強を重ねてきた証明にもなります。

個人情報保護士

個人情報保護士は、個人情報保護に関する知識や技能を持つことを証明する資格で、一般社団法人の全日本情報学習振興協会が試験を実施しています。

個人情報保護法の施行に伴い、企業が適切に個人情報を保護することが求められるようになり、個人情報保護士の需要も高まっており、法務の仕事にも役立てることができる知識と言えるでしょう。

ビジネスコンプライアンス検定

ビジネスコンプライアンス検定は、ビジネスにおける法令遵守や倫理的な行動の実践などの業務に必要なコンプライアンスに関わる知識やスキルを証明できる資格です。

法律知識というより、ビジネスの側面からの危機管理・リスク管理の能力を証明する資格と言えますが、様々なリスクに備える必要がある法務にも適した資格と言えるでしょう。

ビジネス実務法務検定

ビジネス実務法務検定は、企業がビジネス活動を行う上で必要な法律知識や能力を測定する資格試験です。経営者や企業の法務担当者などの、ビジネス法律に関わる人に向けたい資格と言えるでしょう。

ビジネス実務法務検定では、法律の知識だけでなく、契約書の作成や紛争解決など、実践的なスキルも証明することができるため、保有者には法務の即戦力として期待することもできます。

まとめ

本記事では、法務の採用にあたって知っておくべき内容をご紹介しました。まとめると次のような特徴があります。

採用の傾向基本的に経験者や法律関係の資格保有者を採用する
経験者は30代以降になることも多い
求める人物像法律知識や法律に対する興味・関心が高い
コミュニケーション能力がある
リスクマネジメント能力を持ち合わせている
交渉力 がある
知的好奇心や向上心がある
他の管理部門の知識・スキルがあるとなお良い
給料の相場年収:550万円〜
月収:40万円〜

年々企業のコンプライアンスが求められる機会が増えてきています。今まででは見過ごされていたかもしれない法令違反や不祥事でも、厳しく追及されて企業のイメージを大きく損なう危険性も高くなりました。

そのためには、法務部を中心に企業全体で法令遵守やトラブル対処に迅速に対応できる環境を作っておくことが望ましいでしょう。

社内で法務担当者を採用する第一歩は、やはり法律知識や経験を持っている人の採用からが良いでしょう。本記事を参考にしながら、優秀な法務担当者を採用していってください。

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上場支援、CGコードの体制構築などに長けた、専門性の高い「弁護士」を社外取締役候補としてご紹介。事業成長とガバナンス確保両立に、弁護士を起用したい企業様を支援している。

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