企業内弁護士の採用ができる人材紹介サービス『NO-LIMIT』
弁護士の求職・求人支援に特化した転職支援サービス。70期台の若手弁護士から10年以上の経験を誇るベテラン弁護士まで、企業のニーズに幅広く対応できる求職者を多数抱えている。採用活動のサポートを行うアドバイザーは、長年、弁護士の独立・集客支援に携わってきた経験を持ち、業界事情に精通。初めての弁護士採用でもミスマッチとならない、丁寧なサポートが魅力。
企業内弁護士の採用事情
近年、増加の一途をたどる企業内弁護士(インハウスロイヤー)ですが、自社でも採用したいと考えている企業は少なくないかもしれません。顧問弁護士と契約はしているものの、費用の都合上、頻繫に利用するわけにもいかないですし、ちょっとした疑問程度だと聞きづらいですよね。
ですが、社内に弁護士がいてくれれば、いつでも質問ができますし、リスク管理やコンプライアンス対応等においても、かなり心強い存在となってくれるでしょう。しかし、いくら企業内弁護士が欲しいと思っていても、自社に興味を持ってもらえなければ話は始まりません。いったいどうすれば企業内弁護士を採用できるのでしょうか。
この記事では、企業内弁護士の採用によるメリットや注意点、募集方法などについて解説します。
また企業内弁護士の年収相場や採用に役立つ転職エージェントなどについても解説するので参考にしてみてください。
企業内弁護士を採用する企業が増えている理由
2009年では354人しか企業内弁護士も、2019年には2,418人まで増えました。たったの10年ほどでおよそ8倍もの増加です。なぜこれほどまで弁護士を採用する企業が増えたのか、端的に言えば、企業と弁護士それぞれのニーズが合った結果といえるでしょう。
【企業内弁護士所属数上位10社】
企業名 | 人数 |
ヤフー | 39 |
LINE | 26 |
三井住友銀行 | 24 |
三菱商事 | 24 |
アマゾンジャパン | 22 |
野村證券 | 22 |
三井住友信託銀行 | 21 |
双日 | 20 |
三井物産 | 20 |
三菱UFJ銀行 | 20 |
企業側が弁護士の採用に積極的である理由は法務部強化の重要性が高まっているが故です。経済のボーダーレス化に伴い、訴訟・紛争リスクは国内のみならず、国外にも及び、また、諸外国の企業と渡り合うためには、事業の展開を素早く進めると同時に、世界基準の規格に合わせることも必要です。
そのためには法務部の強化は必要不可欠であり、法律のエキスパートである弁護士の加入はうってつけだといえます。他方、弁護士側の理由は、より経営の近くで法務に携わりたいというやりがいの面が一つ。加えて、ワークライフバランスに対する意識の高まりも影響しているでしょう。
企業内弁護士を採用するメリット|顧問弁護士との比較
企業内弁護士を採用すると、具体的に会社はどのようなメリットを得られるのでしょうか。この項目では、企業内弁護士を採用することで得られるメリットを確認していきましょう。
コストの削減につながる
企業内弁護士の採用にあたっては、顧問弁護士でも十分代替が可能ではとの反論を受ける場合もあるでしょう。確かに顧問弁護士でも同様の役割が期待できますが、かかるコストが大幅に変わります。顧問料の範囲で収まるのであれば問題ありませんが、それ以上の相談が毎月行われているのであれば、企業内弁護士を採用してしまうほうがコストは抑えられるでしょう。
事業の立ち上げスピードが改善する
新しい事業の立ち上げ時には、法的な課題・リスクの検討が必要不可欠。しかし、外部の弁護士と相談しながらだと、意思疎通や返信頻度の問題もあって、どうしても作業を進めていくのに時間がかかってしまいます。
ですが、企業内弁護士であれば事業の目的や方向性も理解していますし、いつでも気になる点について相談することが可能です。そのため、新規事業の立ち上げをスピードを落とすことなく進めることができます。
コンプライアンス対応の強化
近年、企業経営において重要性を増すコンプライアンス対応ですが、企業内弁護士がいれば、よりその対策を充実なものにできるはずです。初動対応はもちろん社内体制の整備、再発防止策の検討など、さまざまな場面で弁護士の知見を発揮することが期待されます。
また、社員に向けての研修も率先して音頭を取ってもらえば、より強固な対応体制が敷けるでしょう。
外部の弁護士とのコミュニケーションを円滑化
いくら顧問弁護士が信頼できるからといって、何でもそのまま鵜吞みにするわけにはいきません。指摘やアドバイスのなかに、自社にとって不都合がないか自分たちでしっかりと判断する必要がありますが、あまりに専門性が高い内容を理解するのは容易ではありません。
ですが、同じ弁護士であれば顧問弁護士の指摘やアドバイスの意味が理解することができ、またコチラの意図も明確に伝えられるので、無駄なく業務を進めることができます。
会社としての信頼性が高まる
弁護士の肩書きがもつ社会的信用の高さは、会社にも良い影響を与えるといえます。大手企業や上場企業は知名度の高さから、信頼性にある程度のお墨付きがありますが、中小企業やベンチャー、スタートアップとなると、名前を知らない人からは得体の知れない面があることは否めません。
ですが、企業内弁護士がいるなると話は少し変わります。社会的信用のある弁護士が在籍しているとなれば、反社会的なつながりはもちろん、違法なことに手を出す会社ではないだろうとの推測が働くからです。
企業内弁護士を採用する際のよくある失敗と注意点
企業内弁護士を採用することで得られるメリットは少なくない一方で、上手く活用できなければ旨みも当然少なくなります。この項目では、企業内弁護士を採用する際の注意点を確認していきましょう。
具体的な活用イメージもなく採用してしまう
企業内弁護士が社内にいることは会社にとっては何かと便利です。しかし、それは会社の都合であって、企業内弁護士として働く予定の人材にとっては無関係。雇ったはいいものの、本人の想像とは異なるような雑用に近い業務ばかり振るような事態になれば、長続きはしないでしょう。
採用後のミスマッチを起こさなためにも、企業内弁護士の具体的な活用方法をイメージしておくことが大切です。弁護士に関わってもらう方法は、社内で雇う以外にも、顧問や社外取締役、社外監査など、複数にわたるので、自社にあった方法を選びましょう。
弁護士資格の維持にはお金がかかる
弁護士資格は司法試験に合格したからといって、何もせずに一生涯有効なものとして扱われるわけではありません。弁護士は資格の効力を維持するために、所属弁護士会に対して会費を支払っています。会費の金額は弁護士会ごとに異なり、所属によっては年額100万円を超えるところも。参考:(宮脇委員提出資料)に対する回答|法務省
また、日本組織内弁護士協会が行ったアンケートによれば、8割の企業が会費の負担をしているとのことです。
企業内弁護士を採用するのであれば、給与にプラスして会費負担も必要になることを念頭におくべきでしょう。
弁護士には厳しい職務規律が課せられている
弁護士には職務の性質上、弁護士法や会則、その他の規定などで様々な職務規律が課せられています。それらの規律を弁護士は遵守する義務があり、違反すれば懲戒処分の可能性があります。なので、企業内弁護士は会社に所属する身であれど、職務規律に反する命令には応じることはできません。
- 【企業内弁護士特有の義務】
- ア 営利業務従事における品位保持
- イ 自由と独立
- ウ 違法行為に対する措置
したがって、企業内弁護士は企業の法律違反を防ぐストッパーになるのと同時に、事業を進める際の枷にもなり得るので、注意が必要でしょう。
企業内弁護士の年収にはいくら払うか|相場や経験年数別に比較
企業内弁護士を採用するにあたって、年収相場は気になるところでしょう。弁護士の給与といえば高額なイメージが強く、大手企業なら言い値が出せても、その他の企業には当然難しいといえます。日本組織内弁護士協会が行ったアンケートのよると、企業内弁護士の年収分布は以下の通り。
企業内弁護士の年収相場
2018 | 2019 | 2020 | |
250万円〜500万円未満 | 21 | 17 | 10 |
500万円〜750万円未満 | 106 | 98 | 62 |
750万円〜1000万円未満 | 95 | 102 | 78 |
1000万円〜1250万円未満 | 53 | 44 | 63 |
1250万円〜1500万円未満 | 31 | 33 | 21 |
1500万円〜2000万円未満 | 21 | 20 | 22 |
2000万円〜3000万円未満 | 11 | 13 | 11 |
3000万円〜5000万円未満 | 5 | 5 | 6 |
5000万円以上 | 5 | 6 | 3 |
「750万円〜1000万円未満」が最も多く、次いで「1000万円〜1250万円未満」「500万円〜750万円未満」が続きます。なので、500万円~1250万円の範囲が企業内弁護士の年収の一つの目安といえるでしょう。ただし、この数字は何十年にわたって弁護士活動をしてきたベテランも、弁護士なりたての新人もひとまとめにしたものです。
一般の会社員と同様、弁護士も経験が豊富なほど、採用の際に想定される年収は上がるもの。
企業内弁護士の経験年数別年収
経験5年未満 | 経験5年以上10年未満 | 経験10年以上 | |
250万円〜500万円未満 | 7 | 3 | 0 |
500万円〜750万円未満 | 36 | 24 | 2 |
750万円〜1000万円未満 | 17 | 41 | 20 |
1000万円〜1250万円未満 | 4 | 28 | 31 |
1250万円〜1500万円未満 | 2 | 2 | 17 |
1500万円〜2000万円未満 | 0 | 8 | 14 |
2000万円〜3000万円未満 | 0 | 1 | 10 |
3000万円〜5000万円未満 | 0 | 0 | 6 |
5000万円以上 | 0 | 0 | 3 |
なので、採用の際はどの程度の経験をもつ弁護士が欲しいのか、しっかりと想定したうえで採用活動に臨みましょう。
企業内弁護士の採用方法
企業内弁護士の採用方法は大きくわけて3つ。
- 直応募
- ひまわり
- 転職サイト・エージェント
それぞれのメリット・デメリットを簡単に確認していきましょう。
直応募
自社ホームページやSNS経由などから直接求職者に応募してもらう方法です。費用がかからないことが最大のメリットといえますが、自社に直接応募がきてしまうので、求職者対応を自分たちで行わなくてはならないため、社員の工数は増えます。
また直接応募が来るには、それなりに会社の知名度がないと難しいといえます。
ひまわり求人求職ナビ
ひまわり求人求職ナビは、日本弁護士連合会が運営する弁護士及び司法修習生向けの求人・求職システムです。ひまわり求人求職ナビの最大の魅力は、法曹関係者に抜群の知名度を誇るサービスであるに関わらず、無料で求人広告が掲載できる点にあります。
しかも求人を掲載している企業はあまり多くないので、知名度がそこまで高くない企業でも、求人を閲覧してもらえる可能性は高いといえます。ただ直接応募と同様に自社で採用の管理を行わなくてはならず、表示される求人画面が簡素なので、求職者に自社の魅力を伝えるという点では苦労しやすいでしょう。
転職エージェント
効率のよさと採用スピードを重視するなら、転職サイト・エージェントの利用が適切でしょう。近年では弁護士需要の増加や採用難を受け、弁護士採用に特化したサービスも増えつつあります。
ニーズやタイミングが合えば、短期間での採用も不可能ではないでしょう。ただし当然、転職サイトやエージェントの利用にはお金がかかります。やり方次第で費用を抑えることも不可能ではありませんが、少なくとも100万円以上はかかると見積もっていたほうがよいでしょう。
企業内弁護士の採用におすすめの人材紹介サービス|NO-LIMIT
弁護士採用に特化した転職サービスにもさまざまあり、業界事情に詳しくない場合は、どれを選べばよいのかわからない企業も少なくないでしょう。この項目では、企業内弁護士の採用におすすめの転職エージェントを紹介します。
弁護士の求職・求人支援に特化した転職エージェントです。70期台の若手弁護士から10年以上の経験を誇るベテラン弁護士まで、企業のニーズに幅広く対応できる求職者を多数抱えています。
採用活動のサポートを行うアドバイザーは、長年、弁護士の独立・集客支援に携わってきた経験を持ち、業界事情に精通。初めての弁護士採用でもミスマッチとならないよう、丁寧に説明・サポートをいたします。
公式サイト:https://no-limit.careers/recruitment/
企業内弁護士を採用する際によくある疑問
はじめて企業内弁護士を採用するとなると、わからないことも少なくないですよね。この項目では、企業内弁護士の採用する際によくある疑問をまとめました。
会費負担は企業と求職者どっち?
企業内弁護士を採用するにあたり、企業が会費負担せよという決まりはありません。なので、会費を本人負担としても問題はありませんが、前述したように負担を受け持つ企業が大半です。会費負担が気にならないくらいの高い給料で雇うのであれば本人負担でも問題ないですが、一般社員とそう変わらないのであれば、会社負担でないと応募は来ないでしょう。
採用しやすい時期は?
弁護士に関してはこれといった採用しやすい時期はありません。どの時期に募集をかけても一定の反応は期待できるでしょう。ただし司法修習生の採用に関しては少し事情が変わります。司法修習生の就職活動は、司法試験終了後の5月中旬以降から、司法修習開始前の12月上旬ほどにかけて行われます。
なので、司法修習生の採用を考えている場合は、6月くらいから採用活動を開始するとよいでしょう。
弁護士登録はしてもらう必要はある?
弁護士資格に基づく各種権限(訴訟代理や弁護士法に基づく調査)を行使する予定がないのであれば、必ずしも弁護士登録は必要ではないでしょう。ただ弁護士登録には弁護士資格に基づく各種権限以外にも、資格持ちならではの社会的信用や国外企業との対等交渉に役立つという側面もあるので、無意味なわけでもありません。
しかし、いずれにせよ本人が同意しない限りは弁護士登録を行う必要はあるでしょう。
企業内弁護士の採用で顧問弁護士は必要なくなる?
企業内における法務業務次第ではあります。少ない作業量の業務しかないのであれば、企業内弁護士だけでも十分にまかなえるかもしれません。他方、膨大な作業量が必要で、かつ、高度な専門性が求められる法律事務を行うのであれば、企業内弁護士と顧問弁護士が協働したほうが効率よい事務処理が可能となるでしょう。
企業内弁護士に会社の訴訟代理人を任せてもよい?
企業内弁護士に会社の訴訟代理人を任せること自体は何ら問題ありません。ただ多くの企業においては、企業内弁護士がいるからといって訴訟代理人までは任せてはいないようです。
選択肢 | 人数 | 割合 |
---|---|---|
ある | 42 | 15.9% |
ない | 222 | 84.1% |
まとめ
企業内弁護士への転職を考える弁護士は増えてきており、上手くニーズさえ満たせば会社の規模や事業内容などに関わらず、採用の実現は十分可能です。しかし、上手く活躍の場を用意できなければ、ミスマッチを理由とした短期離職に繋がってしまうので、事前に具体的な活用のイメージをしておきましょう。
もし企業内弁護士を採用したいけれど、どういった準備が必要かわからないという企業担当者の方がいましたら、お気軽にお問い合わせください。業界事情に精通した経験豊富なアドバイザーが、企業内弁護士採用のサポートをいたします。
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