現在、上場企業のみならず、中小企業やベンチャー企業を含め、広く一般に重要視されているのがコーポレート・ガバナンスです。「ガバナンス」などと略されることもありますが、コーポレート・ガバナンスの強化・推進という文脈で、法律の専門家である弁護士が注目されます。
2022年4月には東京証券取引所の市場区分が再編され、プライム市場上場企業には独立社外取締役を取締役の3分の1以上選任することが求められるようになりました。
さらに2026年7月21日には、金融庁及び東証によってコーポレートガバナンス・コード(以下、CGコード)の第三次改訂版が確定・公表され、取締役会の機能強化や独立社外取締役の質・数の確保など、社外取締役に関わる見直しも加えられています。
そこで今回は、コーポレート・ガバナンスに関し、社外取締役との関係を解説していきます。

コーポレートガバナンスとはsection
経済産業省は、2020年7月31日、「社外取締役の在り方に関する実務指針(社外取締役ガイドライン)」を策定・公表しました。これは、コーポレート・ガバナンス・システム研究会(第2期)における議論等を踏まえたものです。
コーポレート・ガバナンスは、一般的には、次のように定義されます。
企業ぐるみの違法行為を監視したり、少数に権限が集中する弊害をなくしたりして、企業を健全に運営すること
この定義づけは、企業の健全な運営という目的にコーポレート・ガバナンスの本質を捉えています。違法行為の監視や権限の一極集中をなくすといったことは、その手段の1つとしての例示です。
しかし、企業の健全な運営というだけでは、様々な意味を包括しているため、明確ではありません。そこで、金融庁と東証が共同で策定したコーポレート・ガバナンス・コードによれば、次のように定義されます。
上場会社が、株主をはじめ顧客・従業員・地域社会等の立場を踏まえた上で、透明・公正かつ迅速・果断な意思決定を行うための仕組み
引用元:コーポレート・ガバナンス・コード|2026 年7月21日 株式会社東京証券取引所
上記の定義は、株主、顧客、従業員など一定の利害関係者の存在を明確にしている点と、意思決定を行う「仕組み」という構造に焦点を当てている点が注目されます。企業の健全な運営という目的では抽象的な概念を、より具体的かつプラクティカルに再構成したものであると捉えることができるからです。
川村将輝弁護士社外役員を支援する立場から申し上げると、CGコードの定義を暗記するだけでは実務上あまり意味がありません。
重要なのは、自社の状況に照らして「なぜその原則を実施する(または実施しない)のか」を言語化できているかどうかです。
2026年改訂で「丁寧なエクスプレイン」の重要性が明記された以上、ひな型的な説明文の見直しに早めに着手することをお勧めします。
詳細な考察については、こちらの記事をご参照ください。


コーポレートガバナンスの位置づけ|
SDGsや社外取締役の役割について
section
コーポレート・ガバナンスは、企業経営において、どのように位置づけられるのでしょうか。
ESGやSDGsの文脈
コーポレート・ガバナンスは、ESG(Environment、Society、Governance)や、国連が提唱したいわゆるSDGs(Sustainable Development Goals)の文脈でも重要な位置づけにあります。とりわけ、SDGsが掲げるものは、国際社会における様々な地球的な諸課題です。


したがって、SDGsは、解決すべき地球社会の課題を提示するものであるといえます。企業は、利潤を追求するものであり、利益を上げて株主に還元することがその存在意義でした。
しかし、SDGsが広く浸透してからは、企業は、単にお金儲けをするという目的の下では生き残ることができなくなります。なぜなら、社会全体が、国家の枠を超えて、持続可能な社会を目指し、その障害となる社会課題の解決を志向するからです。社会課題の解決が価値提供であり、そこに投資されるからです。
こういった時代の潮流から、現代の企業経営においては、どうすれば利益を上げられるかではなく、むしろ日々刻々と変化する社会の中に存する課題を発見し、課題を解決するサービスや商品を提供することができるか、その結果として生ずる利益をどのように運用し、企業の発展につなげていくかという戦略構築が必要になります。
そして、SDGsが浸透していくということは、社会の枠組みを形成する法律にも、SDGsのロジックが埋め込まれていくということでもあります。そうすると、SDGsに適合するには、コンプライアンスが欠かせません。また、事業の戦略の設定と実行を円滑に行うための仕組みづくりが必要になります。
したがって、コーポレート・ガバナンスは、SDGsを基盤とする社会において、より重要性を増してくる考え方なのです。
サステナビリティを巡る最新の動向としては、2026年改訂により原則4-5の解釈指針が整理され、国際サステナビリティ基準審議会(ISSB)と整合的なサステナビリティ基準委員会(SSBJ)の開示基準に基づく有価証券報告書の作成が、一定のプライム市場上場会社に義務付けられました。


コーポレートガバナンス・コード
東証は2015年6月にCGコードを初めて策定し、2018年6月・2021年6月に改訂を重ねました。そして2026年7月21日、金融庁及び東証は「コードの実質化」を掲げた第三次改訂版を確定・公表しています。
CGコードは、会社法や金融商品取引法の規範を、より企業経営の実務に沿った文脈で再構築するプリンシプルベース・アプローチ(原則主義)を採用している点に特色があります。
主として、「実効的なコーポレートガバナンスの実現に資する主要な原則を取りまとめた」内容になっています。
2026年改訂前のCGコードでは5つの基本原則が掲げられていましたが、2026年改訂により、従来の基本原則5(株主との対話)が基本原則1(株主の権利・平等性の確保)に統合され、以下の4つの基本原則へと再編されています。
- 株主の権利・平等性の確保及び株主との建設的な対話
- 株主以外のステークホルダーとの適切な協働
- 適切な情報開示と透明性の確保
- 取締役会等の責務
とりわけ、4つ目の「取締役会等の責務」については、社外取締役との関連を有する点について、次のような準則が示されています。
取締役会等の責務と社外取締役の関係
【基本原則4】
上場会社の取締役会は、株主に対する受託者責任・説明責任を踏まえ、会社の持続的な成長と中長期的な企業価値の向上を促し、収益力・資本効率等の改善を図るべく、
(1) 企業戦略等の大きな方向性を示すこと
(2) 経営陣による適切なリスクテイクを支える環境整備を行うこと
(3) 独立した客観的な立場から、経営陣(執行役及びいわゆる執行役員を含む)・取締役に対する実効性の高い監督を行うことをはじめとする役割・責務を適切に果たすべきである。
引用元:コーポレート・ガバナンス・コード|2026 年7月21日 株式会社東京証券取引所
特に、上記【基本原則4】の(3)にいう独立した客観的な立場からの監督については、2026年改訂により独立社外取締役の役割・責務を正面から定めた原則4-8が新設され、次のような準則が示されています。
【原則4-8.独立社外取締役の役割・責務】
引用元:コーポレート・ガバナンス・コード|2026 年7月21日 株式会社東京証券取引所
上場会社は、独立社外取締役には、特に以下の役割・責務を果たすことが期待されることに留意しつつ、その有効な活用を図るべきである。
(1) 経営陣の選解任その他の取締役会の重要な意思決定を通じ、経営の監督を行うこと
(2) 会社と経営陣・支配株主等との間の利益相反を監督すること
(3) 経営陣・支配株主から独立した立場で、少数株主をはじめとするステークホルダーの意見を取締役会に適切に反映させること
(4) 経営の方針や経営改善について、自らの知見に基づき、会社の持続的な成長を促し中長期的な企業価値の向上を図る、との観点からの助言を行うこと
原則4-8は上場会社に適用されるものですが、IPO準備段階にある企業にとっても、将来の上場準備として避けては通れない視点です。この原則に関連して、加えて2つの観点に注目する必要があります。
独立社外取締役に求められる「質」の確保(原則4-9)
1つは、原則4-9が「独立社外取締役の質の確保」として、単なる員数合わせではなく、取締役会での建設的な検討に貢献できる資質を備えた人物を候補者とすべきことを明記した点です。
本来、業務執行の適法性を監査する機関は監査役・監査役会に、経営判断の妥当性の監督は取締役会に委ねられますが、その実効性は選任される社外取締役個々人の資質に大きく左右されます。
しかし、内部の取締役同士の関係だけだと、中小企業を中心に、取締役同士の馴れ合い関係などから、監督是正が不十分となる場合もありました。そうした実情を踏まえて、原則4-9では、識見・能力等の資質に関する基準を策定することも考えられる旨が解釈指針で示されています。
独立社外取締役の「数」の確保と取締役会事務局の機能強化(原則4-10・4-14)
もう1つは、原則4-10が、プライム市場上場会社に独立社外取締役を少なくとも3分の1以上(支配株主を有する場合は原則過半数)選任すべきことを明記している点です。加えて、解釈指針では、取締役会の審議を活性化させるため、取締役会事務局(コーポレートセクレタリー等)の機能強化が明記されました。
独立社外取締役が議長を務める場合や社外取締役の割合が高い場合、事務局の機能は一段と重要になります。
このように、2026年改訂後のCGコードにおいても、社外取締役は、取締役会等の責務を定める基本原則4の中核的な担い手として位置づけられています。そして、その役割・責務(原則4-8)、質(原則4-9)、数(原則4-10)のそれぞれについて、従来以上に踏み込んだ整理がなされているといえます。



2026年改訂で実務上まず押さえていただきたいのは、これまで「原則4-6」として置かれていた経営の監督と執行に関する準則が廃止され、独立社外取締役の役割・責務(原則4-8)、質(原則4-9)、数(原則4-10)という3つの原則に整理・拡充された点です。
顧問先から旧条文番号を前提とした質問を受ける機会も増えると見込まれるため、説明資料の更新を早めにご検討ください。
コーポレートガバナンスコードにおける
社外取締役の位置づけと重要性section
2020年7月31日、経済産業省は、「社外取締役の在り方に関する実務指針」(社外取締役ガイドライン)を策定しました。社外取締役ガイドラインは、会社法、金商法などの法令を最上位規範として、すでに述べた東証の策定したCGCをさらに具体化する4つの指針の中の1つとして位置づけられます。
4つの指針は、その内容と対象が異なります。
- コーポレートガバナンス・システムに関する実務指針(CGS)は、コーポレート・ガバナンスを実現するための組織構築、とりわけ取締役を構成する人員に関しての指針を内容とするものです。これは、全ての上場企業が対象です。
- グループ・ガバナンス・システムに関する実務指針(グループガイドライン)は、企業経営におけるグループ化、親子会社間におけるガバナンスの在り方に関する実務指針を定めるものです。グループ企業を有するすべての上場会社を対象とします。
- 事業再編実務指針は、事業再編に焦点を当てるもので、「経営陣における適切なインセンティブ、取締役会による監督機能の発揮、投資家とのエンゲージメントの対応、事業評価の仕組み構築と開示の在り方」の整理などを内容とするものです(「事業再編実務指針~事業ポートフォリオと組織の変革に向けて~」を策定しました|経産省)。
- そして、社外取締役の在り方に関する実務指針は、令和元年の改正会社法において上場企業等における社外取締役の設置義務化に伴い、社外取締役としてあるべき役割の認識、行動準則、会社側のサポート体制などをまとめたものです。特に、その対象が全上場企業の社外取締役である点は、注目されます。
特に、社外取締役の存在意義は、会社法上の趣旨から読み取れます。すなわち、「わが国の資本市場が信頼される環境を整備し、上場会社等については、社外取締役による監督が保障されているというメッセージを内外に発信する」という点でにあります(社外取締役ガイドライン13頁)。
2026年改訂ではこれに対応する形で原則4-11が新設され、取締役会は、独立社外取締役となる者の独立性を実質面において担保する独立性判断基準を策定すべきことが明記されました。在任期間の長期化など形式的な基準だけでは判断しにくい事情がある場合には、個別の検証が必要になります。
ここでいう「監督」は、具体的には、「社外取締役には、少数株主を含むすべての株主に共通する株主の共同の利益を代弁する立場にある者として業務執行者から独立した客観的な立場で会社経営の監督」、「また、経営者あるいは支配株主と少数株主の利益相反の監督」です。
社外取締役の位置づけには、マネジメントモデルとモニタリングモデルがあるが、改正会社法ないし社外取締役ガイドラインを踏まえると、後者として位置づけられるものと考えられます。このように、コーポレートガバナンスを支える柱の1つとして、社外取締役が位置づけられていることが分かります。



社外取締役ガイドラインは経済産業省策定のものでCGコードとは策定主体が異なりますが、実務上は一体として理解する必要があります。
独立性判断基準の策定が原則4-11として明記された以上、在任期間の長期化など独立性に疑義が生じやすい事情は、実質面から改めて検証することをお勧めします。


社外取締役に期待される職務と行動section
社外取締役に期待される経営の監督というのは、具体的にどのようなものなのでしょうか。本記事では、特に3つ取り上げていきます。
守りだけでなく、「攻め」(適切なリスクテイク)の監督
「監督」というと、取締役が「やっちゃいけないことをやっていないかどうか」を監視するような、消極的な意味だけで捉えてしまうかもしれません。もちろん、コーポレート・ガバナンスの本来的な意義からすれば、取締役の意思決定が、法令ないし株主総会などの意思決定の枠を超えていないかどうかといった点が基本です。
しかし、それにとどまるのではなく、中長期的な企業価値の向上という観点からの目標設定、個々の業務執行に際して、目標達成のための事業戦略の設定と、その実行に対する評価をすることが求められます。そのために、現経営陣が不適格である場合などは、人事に関わりCEOの選解任を行う権限を積極的に行使していくことが必要になることもあります。
また、事業戦略の適切な実行を評価して報酬につなげ、インセンティブの構築を図ることも必要になるのです。そうした職務と行動を通じて、不確実性の高い新規事業の創出、既存事業の改善・強化を図る上での協働を行い、議論の設定と運営に関わっていくことが、コーポレート・ガバナンスを図る上での重要な職務となります。
この点は、2026年改訂で新設された序文で、本コードが「守りのガバナンス」にとどまらない「攻めのガバナンス」の実現を目指すと明記されたことで一層明確になりました。また、原則4-1は成長投資や事業ポートフォリオの見直し等の説明を、原則4-2は現預金等の有効活用の不断の検証を、それぞれ取締役会に求めています。
社外取締役には、こうした議論で建設的な問いを投げかけ、「守り」と「攻め」の両面から監督機能を発揮することが求められます。
参照元:コーポレート・ガバナンス・コード|2026 年7月21日 株式会社東京証券取引所


社内のしがらみにとらわれない立場から、持続的成長のための経営戦略の提案
社外取締役は、コーポレート・ガバナンス実装の上で、独立かつ客観的な立場で経営に関わるという点に価値があります。この独立性と客観性を活かして、社内ににはない思考や知見をいきわたらせることが重要な職務です。
会社の経営戦略などは、まずCEOを中心とする社内の経営陣が行います。しかし、そのたたき台を設定した上で、取締役会で議論し、決定していく際には、より多角的に検証することが必要です。それは、先に述べた中長期的な視点から策定した事業戦略との整合性を軸に、市場の動向、産業構造の変化と社会課題の所在、それに対する解決策としての合理的な位置づけ、収益化の見込みなど多様な視点があります。
場合によっては、法律の規制が障害になる場合もあります。したがって、専門的かつ多角的な知見を提供するために、外部の専門家の意見が必要になります。
また、設立から年月が経っている円熟期の企業であるほど、社内の伝統・文化が根強くあります。特に、中小企業を中心にみられるものでもあります。そうした伝統や文化は、一方で重んじられるべきものではありますが、他方でイノベーションを促進し、新しい事業を実装していく上では、足かせになることもあります。
そこで、社外取締役は、外部の人材として、社内の視点・立場にはない思考回路で、議論を設定することが期待されます。したがって、会社内部との距離感は、あくまで外部者としての立場を保ちつつ、常に事業の持続的な成長のために必要な知見を提供していくことが重要になります。
もっとも、そのためには社内の経営陣などが、外部の意見を受容すべき枠組みが必要にあります。その点は、すでに述べたCGSの実務指針にあるスキームで補完されていくことになりますが、詳細は別の記事にて解説します。
ここで重要なポイントとして、社外取締役がこうした知見を発揮するには、情報の非対称性を解消する仕組みが不可欠です。
2026年改訂の解釈指針(原則4-14)は、取締役会事務局(コーポレートセクレタリー等)について、単なる会議運営にとどまらず、審議事項の設定や社外取締役からの照会対応など能動的な役割を果たすことが望ましいとしています。


様々なステークホルダーとの利害調整
社外取締役は、ステークホルダーと経営陣との関係で中立的な立場で、ステークホルダーの意見を事業戦略に反映させていくことで、コーポレート・ガバナンスの実装に資するという職務も担っています。
大きく問題となるのは、経営陣や支配株主と、少数株主の間の利益相反です。例えば、マネーゲーム的に株を取得していく支配株主が現れた場合、特に経営陣との敵対関係が生ずる場合があります。その場合は、支配株主との間で、会社の事業の成長や発展への建設的な議論ができるのかどうかなど、窓口として議論をし、経営陣とのコミュニケーションを円滑に図ることも必要になります。
他方、少数株主との間では、買収防衛策の発動に関し、経営陣と少数株主の橋渡し役として、株主総会なのでの議論を整理し、検討していくための主導者になることにもなります。
また、ステークホルダーは、株主だけではありません。顧客や、現場で働く従業員といった立場にある意見は、社内の経営陣の視点だけではカバーしきれない部分があります。そうした、社内でも外部に置かれてしまうような意見も、適切に反映していく必要があります。
したがって、社外取締役は、様々なステークホルダーの意見を吸い上げ、業務執行や経営戦略の中に落とし込んでいくことで、コーポレート・ガバナンスの実装に役立ちます。
あわせて、基本原則2の解釈指針では、人的資本への投資や適切な分配、取引先との公正・適正な取引が、ステークホルダーとの適切な協働の具体例として明記されました。社外取締役には、こうした点も経営陣任せにせず確認する視点が求められます。



社外取締役の実効性を高める鍵は、本人の資質だけでなく、これを支える事務局体制にあります。特に独立社外取締役が議長を務める場合や社外取締役の比率が高い場合、事務局の機能はより重要になります。
事務局としては、単に文字通りの事務的な機能を担うのではなく、会社の様々なリスクオペレーションを集約・統括し、組織図上も実際の業務オペレーション上もリスクマネジメントにおける実務のハブとなっている部門で、かつ十分な知見がある人材が最適であると考えられます。その意味では、法務や財務の部長レイヤーであったり、社内弁護士(法務アウトソーシングを含む)などの専門人材も有用と考えられます。
こうした候補者選定と同時に、情報提供やスケジュール調整といった受け入れ体制の整備をクライアント企業に助言することが増えています。


コーポレート・ガバナンスと社外取締役の職務の評価section
社外取締役が企業経営の中で機能し、コーポレート・ガバナンスが実装されているかどうかは、社外取締役の職務の評価と改善の仕組みによって裏付けられます。そのため、そのような仕組みを作ることも、重要なポイントになります。
この点については、社外取締役ガイドラインによれば、取締役会議長を務める社外取締役、筆頭の社外取締役から、個々の社外取締役に対して評価のフィードバックを行うこと、それを踏まえた社外取締役の指名・再任の検討材料につなげていくことが指摘されています(社外取締役ガイドライン39頁)。



取締役会の実効性評価は、2026年改訂後も原則4-13(3)として維持されています。
評価を形式的なアンケートで終わらせず、指名委員会・報酬委員会における再任判断に具体的に接続できているかを、顧問弁護士の立場から確認することをお勧めします。
まとめ
コーポレート・ガバナンスの実装において、社外取締役は不可欠な役割を担っており、課題解決志向の現代型のビジネスのロジックに適合する存在であることがお分かりいただけたかと思います。
2026年7月21日に確定したCGコードの第三次改訂は、独立社外取締役の役割・責務(原則4-8)、質(原則4-9)、数(原則4-10)の確保や、取締役会事務局の機能強化(原則4-14)など、社外取締役を巡る規律を一段と具体化しました。コーポレート・ガバナンスを専門とする弁護士にとって、社外取締役という立場で企業経営に関わることは、従来にも増して合理的かつ価値的な選択肢になっているといえます。
ガバナンスを実装する社外取締役として、企業経営に貢献する弁護士は、今後一層増加していくことでしょう。





















